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バカンと東京建物が実証実験 トイレ個室内に広告や情報を配信 長時間利用抑制・混雑緩和にも期待

2020.07.06 15:46

 バカン(東京都千代田区)と東京建物(東京都中央区)は6月30日、トイレの個室内に設置したタブレットに情報を配信するサービスの実証実験を開始すると発表した。トイレの混雑状況や個室内滞在時間状況と連動した広告や動画を配信する。
 バカンはIoTとAIを活用して商業施設や飲食店などの空き状況を検知し、混雑情報を配信するサービスを提供してきた。実証実験ではバカンが展開しているトイレ向け混雑抑制IoTサービス「AirKnock(エアーノック)」を改良した「AirKnock Ads(エアーノックアッズ)」を用いる。
 「AirKnock Ads」はトイレ個室の壁面に10インチのタブレットを設置し、個室の利用が始まると約30秒の動画広告を複数本再生する。トイレ全体が混雑している場合などは再生本数を制限し、個室外の混雑状況や個室滞在時間を表示することで長時間滞在者の自主的な退出と待ち時間の低減を図る。個室の利用状況は、個室ドアなどに設置したセンサーなどを用いてデータを取得し判定する。
 今回の実験では東京建物が運営する「中野セントラルパークサウス」に「AirKnock Ads」を導入。東京建物はこの実証実験を通じてより快適なビル環境の構築を進め、利用者が安全に、安心して利用できる管理・運営に活かす。
 トイレ個室への動画広告配信は、高い到達率やターゲティング精度が期待されている。今回の実証実験では、バカンがこれまでに蓄積してきた技術やノウハウから生み出した特許技術などを多数活用して知見やノウハウを蓄積し、サービスを改良したうえで本年秋頃の商用化を予定している。

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