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三菱地所 物件新築時の型枠コンパネを持続可能性に配慮した木材に

2020.06.08 17:09

 三菱地所(東京都千代田区)が、オフィスや住宅等の建設時に使用する型枠コンクリートパネルについて、「持続可能性に配慮した調達コード」にある木材(認証材並びに国産材)と同等の木材使用を推進する。この取り組みは、三菱地所においては今年4月以降に配布する見積要項書への記載から開始。三菱地所グループとして、2030年度までにその使用率を100%にすることを目指す。
 同社では、「長期経営計画2030」の中で「三菱地所グループのSDGs(Sustainable Development Goals)2030」を設定し、実現のための重要テーマとして、「Environment」、「Diversity & Inclusion」を掲げている。サステナブルな社会の実現に向け、社会の一員として人権尊重の重要性を改めて認識。グループ企業だけでなく、あらゆるステークホルダーの基本的人権を尊重する責任を果たすことを目的として、2018年4月に「三菱地所グループ人権方針」を制定し、人権デュー・デリジェンスを行った。その結果を踏まえ、時代が抱える社会課題への解決策を提供するべく、具体的な取り組みを実施していく。
 その第一が型枠コンクリートパネルについての取り組みとなる。国内で使用される型枠コンクリートパネルの多くは、南洋材(マレーシア、インドネシア等)が原料となっているが、先住民の土地収奪や環境破壊等が問題視される違法伐採木材が含まれていることがNGO等から指摘されている。そこで、人権及び環境保護の観点から、型枠コンクリートパネル(合板)についてSDGsの最終年度である2030年度までに、持続可能性に配慮した調達コードにある木材(認証材並びに国産材)と同等の木材の使用100%を目指す。
 第二の取り組みは、外国人技能実習生に対する人権尊重の徹底だ。実地調査を行い、盲点になりやすい点(報酬や日常生活に関する事項等)を見積要項書に記載することで、三菱地所グループより発注先に対し協力会社を指導(周知)するよう申し入れを行う。
 第三の取り組みは海外事業における人権デュー・デリジェンスの実施。一般的に人権侵害の事例の多いアジアにおいて、事業検討時(土地取得時)にチェックリストを用いた人権デュー・デリジェンスを行い、事業参画の際の判断材料とする。

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