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レンタルスペース仲介サイト新規参入 割安手数料で拡大目指す

2020.06.08 17:39

 時間貸しのレンタルスペースと利用者を仲介するプラットフォームが新しく誕生した。昨今、大きく需要を伸ばし、直近のテレワークの拡大も追い風となっている。プラットフォーム間同士の競争も強まっていきそうだ。

 大容量データ送受信サービス「データ便」のサービス事業を手掛けるFalco(ファルコ、福岡市中央区)は5月26日、レンタルスペース検索サービス「スペース便」の提供を開始した。IT関連事業を主軸にしているが、一方で小規模ながらレンタルスペースや民泊などの運用も展開してきた。
 その経験やノウハウが今回の「スペース便」の開設につながっている。代表取締役の植村福太郎氏は「現在展開されている多くのプラットフォームは手数料が利用料金に対して30%ほど。これに利用ごとの清掃費用などを考慮していくと、手元に残る利益はごくわずかです」と話す。このような声はいくつかのスペースオーナーからも聞かれる。なかにはまず認知度を向上させたうえで自社サイトからの集客を目指すケースもある。
 時間貸しのレンタルスペースに対する社会的な認知度はまだ高いとは言えない。都市圏では貸し会議室やパーティースペース、コワーキングスペースやポップアップストア(期間限定店舗)など幅広くあるが、地方・郊外では絶対数が少ない状況にある。「今後レンタルスペースやシェアリングスペースが認知度を高めて地位をより強固にしていくためにもスペースの絶対数を増やして、かつオーナーと利用者双方に高い満足度を与えられるプラットフォームが必要だと考えて準備を進めてきました」(植村氏)。
 「スペース便」の一番の特長はプラットフォーム利用に際しての手数料だ。月額の利用料金の15%、あるいは月額5000円のうち高いほうを課す。加えてスペース掲載は審査制として、運営者が内見した上で掲載となる。清掃レベルやWi―Fiなどの備品が正常に機能しているかどうかがチェックポイントとなる。利用者により良い状態を提供するために、プラットフォームが積極的に関与していく仕組みだ。
 直近で注力しているのはテレワークなどで利用できるスペースの提供。植村氏は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国的にテレワークが進みましたが、一方で家だと集中しづらい、働くための環境が整っていないことも多くあります。そのような人が集中して利用できるようなワークスペースを積極的に掲載していきます」と話す。将来的には貸し会議室やパーティースペースなど幅広く取り扱っていくことも視野に入れている。
 「目標としているのは全国で掲載スペース1万件にしていくことです」と意気込みを示す植村氏。掲載スペースと利用実績を積み上げ頭角を現していけば、割安手数料などの仕様が業界に一石を投じそうだ。


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