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木材建築の床でも衝撃も音もシャットアウト 木造建築最高レベルの遮音床システムを開発

2020.04.20 16:58

 東急建設(東京都渋谷区)、ナイス(横浜市鶴見区)、淡路技建(茨城県牛久市)の3社は、床衝撃音遮断性能の確保が難しいとされてきた木質系建築に適用できる高遮音二重床システム「(仮称)高遮音床システム」を共同で開発した。
 2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以後、規格流通材を利用した中規模木造建築およびS・RC造と木造の混構造による中高層木造建築などが、積極的に検討されている。これに伴って、木造建築物に要求される遮音性能も、RC造と同程度に高まってきている。
 同システムは、防振支持脚と二重床床板の振動特性に着目し、両者を最適な組合せに調節することで、床衝撃時の振動(騒音)を効果的に低減できる条件を明らかにして製品化した高遮音床システム。取り付け時に躯体へのアンカー打ちや特殊な治具も不要で、設置が容易なシステムとなっている。
 同システムの二重床は、パーティクルボードと合板により構成することで50kg/m2以下に抑えられている。これにより、木造建築物の良さである軽量さを生かしながら、対策が難しい重量床衝撃音に対して、LH-50の遮音性能を達成した。また、建物自重の増加を抑制できるため耐震性の確保にも有利となる。さらに、床鳴り防止用緩衝材の挿入や捨張合板による床面剛性の調整を行うことで、高い防振性能(遮音性能)を維持しつつ、「床鳴りの防止」と「良好な歩行感」を実現している。
 同システムはフローリング材と天井材の種類により、床衝撃音遮断性能が異なる2タイプの種類(標準タイプ・高性能タイプ)を用意している。これにより、要求性能に適したタイプを提案することが可能となるため、コスト面においても、より合理的な対策ができる。

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