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「豊洲ベイサイドクロスタワー」竣工

2020.04.06 12:46

大規模再開発「ベイサイドクロス」内 基準階3300兵冷えのオフィスフロアは満床

 三井不動産(東京都中央区)が豊洲二丁目駅前地区で開発を推進している「豊洲ベイサイドクロス」の核となる「豊洲ベイサイドクロスタワー」が、先月31日に竣工した。
 「豊洲ベイサイドクロス」は、三井不動産が地権者であるIHI(東京都江東区)と共同で開発をすすめている大規模再開発プロジェクト。その核となる「豊洲ベイサイドクロスタワー」は、敷地面積約1万9100㎡、延床面積約18万4800㎡、地上36階地下2階の複合施設。最先端の機能を持つオフィスゾーン、バラエティに富むショップが揃う商業ゾーン、ビジネス客から観光客まで対応可能なホテル、街の安心・安全を支えるエネルギーセンターで構成される。
 地下1階~地上4階には全36店舗の「ららぽーと豊洲3」が3月24日にオープンし、既存の「ららぽーと豊洲1・2」とあわせて計214店舗にスケールアップした。また、33~36階は「三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロス」が7月1日にオープンする。ロビーや大浴場など共用スペースから望む東京の眺望、豊洲市場の食材を使ったイタリアンレストランなど、豊洲エリアならではの風景や味を楽しめる。
 オフィスフロアはICTの導入、自由度の高い基準階面積3300㎡の大規模フロアプレートにより、様々なシーンに合わせた働き方をサポートする。集中ブース、リフレッシュルーム、ランニングステーションとして利用可能なミニフィットネス、シャワールーム、ラウンジや貸し会議室などを備えた共用施設「+C(プラスクロス)」も開設。オフィステナントにはTISインテックグループ(東京都新宿区)、富士ゼロックス(東京都港区)などが入居を予定しており、満室となっている。
 5~8階には、三井不動産と東京ガス(東京都港区)が共同で設立した新会社、三井不動産TGスマートエナジーによる「豊洲エネルギーセンター」が先月31日に竣工し、今月1日より稼働を開始した。開発区域および開発区域外の「豊洲センタービル」を対象にスマートエネルギーで発電した電力を供給するプロジェクトで、開発区域外にも送配電する「特定送配電事業」の実施は、三井不動産グループとして日本橋エリアに次いで二番目の事例。ガスを燃料に電気と熱を生み出すコジェネレーションシステム(CGS)を中心としたシステムで、系統電力の供給停止時においても一定の電気と熱の供給が可能。系統電力と中圧ガスが停止した場合でも、72時間分の備蓄オイルにより発電する非常用発電機を装備する。
 さらに有事の際の帰宅困難者対応を強化しており、帰宅困難者に対してWi-Fiと充電用電源を確保した約2600㎡の一時退避スペースを用意し、約1500人分の水・食料・簡易トイレ・防寒シート等を備蓄する。
 また太陽光発電の導入、壁面緑化・屋上緑化および計画敷地内に約4280㎡の緑化空間整備などにより、CASBEEにおける自己評価で「Aランク」を達成している。

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