週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

コスモスイニシア 不動産投資家需要に対応「VALUE AI」バージョンアップ

2020.03.02 16:54

投資用不動産・投資プランの組み合わせによる複数パターンシミュレートの比較を実現
 大和ハウスグループのコスモスイニシア(東京都港区)は先月25日、「VALUE AI」をバージョンアップした。投資用不動産のポートフォリオを将来価値予測においてグループごとに比較する機能を追加。税理士・豊田章成氏の監修による「不動産ポートフォリオの比較結果表示」や「推定相続税評価額表示」を新たに組み入れた。
 「VALUE AI」は2018年2月より展開している投資用不動産AI診断サービス。人工知能による不動産価値の将来予測と投資プランシミュレーションを行うことができる。現在不動産を所有する個人や法人が利用し、登録者数は1年半余で4000人超えとなっている。
 今回のバージョンアップについて、ソリューション本部カスタマーリレーション部カスタマーリレーション課チーフの高橋元章氏は「利用者とのコミュニケーションを増やしていくなかで、様々な機能追加のニーズをいただきました。そうした生の声を『VALUE AI』に生かすため今回のバージョンアップを実施しました」と話す。
 新たな機能は具体的にどのようなものか。
複数のポートフォリオの比較機能について高橋氏は、「任意に選択した不動産と、その投資プランをグループ登録し、各グループのポートフォリオを作成することが可能になりました。それぞれのグループで『AIが査定した推定売却価格の総額(資産性)』、『減価償却額の総額』、『累計営業純利益(収益性)』をシミュレートし、折れ線グラフで視覚的にも検討することができます」と説明する。比較できるグループ数は3つ。たとえばA、B、Cの3物件を所有している場合、Cを売却して「A・B」、Aを売却して新しく物件Dを加えた「B・C・D」、そして購入も売却も行わない「A・B・C」の3パターンそれぞれの資産性、減価償却総額、収益性を比較し判断することができる。1つの物件Aしか所有していない場合でも、投資プランごとの比較を可能にし、例えば金融機関ごとの融資条件を登録して、金融機関の選定基準とすることができる。「今回グループ比較に導入した指標は資産組み換えの際に税理士が検証・確認する項目です。『VALUE AI』では概算となりますが、投資行動を実施する前段階での判断材料として活用していただけます」(高橋氏)。また税理士・豊田氏の監修により相続税評価額概算の表示も実現。現在保有する物件から将来の相続対策の検討の材料として利用することができる。
 コスモスイニシアでは今後「VALUE AI活用法セミナー」を定期的に開催していく予定だ。「VALUE AI」に登録していない人でも参加が可能。税理士・豊田氏による個別相談会も実施する。参加費はどちらも無料であり、同社HPより専用サイトでの事前予約が必要。

PAGE TOPへ