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清水建設 「北陸支店新社屋」着工 北陸エリア初のZEBに

2020.02.26 21:48

 清水建設(東京都中央区)は、金沢市玉川町で進めている同社北陸支店旧社屋の解体工事を3月中に終え、北陸地域で最高レベルの省エネルギー性能を備えた新社屋の建設工事に着手する。規模は地下1階地上3階、延床面積約4100㎡。竣工は2021年2月の予定で、最先端の省エネ・創エネ技術により使用開始時から地域初の「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEBゼブ)」の実現を目指す。これにより、年間のCO2排出量を370t程度削減できる見込み。また新社屋は北陸初の水素エネルギー利用ビルとなり、国内最大級の水素蓄電設備(容量2000kWh)を採用する。
 最先端の省エネ・創エネ技術を採用し、ZEBの実現に取り組む。核となる新技術は、水素利用蓄電設備、太陽光発電、輻射空調、地域特性を生かした地中熱利用や自然通風・採光など多岐にわたる。
 水素利用蓄電設備には、産業技術総合研究所と共同開発した建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」を適用。特徴は太陽光発電の余剰電力を使用して水素を製造・貯蔵し、BCP対応等の必要時に抽出して電力に変換する。
 一方、金沢の歴史・伝統との融和を目指し、意匠面では古都に相応しい端正な佇まいを表現した。金沢に多く残る町家と調和するよう格子状の外観とし、木虫籠や格天井を現代の技術で再現する。外観を特徴づける格子状のフレームは構造体の耐震壁としての機能を併せ持ち、地震時に建物に作用する力を100%負担する仕組み。格天井は、新たに開発する県内産の能登ヒバと鉄骨を組み合わせた耐火木鋼梁により表現する予定。
㎡  オフィス空間は、ニーズが高まる多様な働き方に対応できるようにフリーアドレス化を図るとともに、ペーパーレス化を推進する。働き方改革、健康増進に資するオフィス空間の実現に向け、引き続き採用する新設備の検討を進める。

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