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三菱地所 「災害ダッシュボード3.0」を活用した情報提供実験実施 首都直下地震を想定

2020.01.27 15:31

 三菱地所(東京都千代田区)が、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組みとして「災害ダッシュボード3・0」の実証実験を行った。
 「災害ダッシュボード3・0」は、2019年1月に発表した災害時の状況俯瞰、負傷者搬送対応等に活用するプラットフォーム「災害ダッシュボード2・0」の機能を更に強化したもの。実証実験は1月22日に実施され、千代田区、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)、東海旅客鉄道(名古屋市中村区)、東京地下鉄(東京都台東区)、東京都交通局、日の丸自動車興業(東京都文京区)、サンケイビル(東京都千代田区)、森トラスト(東京都港区)、読売新聞東京本社(東京都千代田区)、聖路加国際病院・聖路加メディローカス、大手町・丸の内・有楽町まちづくり協議会が参加。連携して実証を行った。
 同実験は、千代田区の災害対策本部(千代田区庁舎内)と丸の内エリアに想定した「次世代防災拠点(災害対策拠点)」で、帰宅困難者対応を連携して行うことの有用性を検証するもの。同拠点に含まれる情報HUB機能や負傷者搬送等の必要性については、昨年3月に改定された「都市再生安全確保計画」に盛り込まれている。
 今回、千代田区と連携し開発した「災害ダッシュボード3・0」では、同エリア約100台の「丸の内ビジョン」を通じて発信する「デジタルサイネージ版」や、インターネットより「一般用」、「災害対策機関用」でそれぞれアクセスできる2種の「WEB版」を併用し、災害時に必要な情報を発信する実験を行った。エリア情報は、千代田区災害対策本部(九段・千代田区庁舎内)とエリア分室(丸の内エリアに開設と想定)が分担して発信するシナリオとしており、想定定型文に加えて随時メッセージを4か国語(日英中韓)で発信する。翻訳エンジンとしてはNICT(情報通信研究機構)の翻訳エンジンを活用した。
 帰宅困難者はスマートフォンから、「デジタルサイネージ版」の二次元バーコードでURLを読み込むことで、地図アプリに帰宅困難者受入施設の位置、開設情報、満空情報を表示できる。これにより、帰宅困難者が自身の判断で適宜施設選択をする仕組みを備えた。
 今後、三菱地所は同エリアにおける次世代防災拠点(災害対策拠点)機能の実現や、突如発生する首都直下地震等に対してICTを活用して効率的に情報連携できる仕組みづくりの構築を目指していくほか、更なる災害対策強靭化を実現すべく、丸の内周辺エリアへの波及効果までを視野に検討を進めるとしている。

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