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「(仮称)住友不動産 大崎東プロジェクト」着工 延床4万7600㎡で大崎・品川エリアの発展を拡充

2020.01.27 15:37

 住友不動産(東京都新宿区)は、品川区北品川五丁目で開発を進めている大規模オフィスビル「(仮称)住友不動産 大崎東プロジェクト」を1月7日に着工した。
 同プロジェクトの建設地は昨今急速な発展を遂げている副都心・大崎エリアに位置し、「大崎」駅、「五反田」駅の2駅7路線が利用可能な交通アクセスに優れた立地。
 新築されるビルは敷地面積7102㎡、総延床面積約4万7600㎡、地上19階地下2階、塔屋1階の大規模オフィスビル。「大崎」駅から徒歩8分、「五反田」駅から徒歩9分で、「大崎」駅に隣接する「品川」駅からは羽田空港へ17分でアクセスが可能。さらに、「大崎」駅前からは各地方都市への高速バス、空港バスなども発着しており、充実した交通インフラによる高いアクセス性を備えている。
 オフィスフロアには基準階面積1797㎡超の整形無柱空間を用意。働き方改革を踏まえ、仮眠室、ブレーンストーミングスペースなどオフィスワーカーの快適性向上や交流促進を図り、就労環境を整える取り組みにもフレキシブルに対応可能な空間を提供する。
 専有部は、天井高約3m、窓面高さ2・55mを確保し、明るく開放的な空間とした。空調は1フロア53ゾーンの部分制御可能な完全個別空調システムを採用し、細かい範囲で適温調整が可能。省エネと快適な就労環境を兼ね備えたオフィス空間を実現した。
 建物は建物下部に免振装置を設置し、揺れを吸収させ建物に直接地震エネルギーを伝えにくい構造にした。そのため、人命はもとよりオフィス家具等の転倒リスクも軽減した、安心安全な就労空間を提供する。
 BCP対策としては、万が一の災害を想定し、3回線スポットネットワーク受電を採用している。配電線が1本断線しても、他の2本で継続送電を可能とする。また、ビルに貯蔵している重油により72時間分の発電ができる。なお、オプションによりテナント企業専用の非常用発電機を設置するスペースも確保する。
 住宅地としての機能整備がすすむエリアの特性にも配慮し、敷地の北側と南東には公開空地を設ける。敷地内には緑地を計画的に整備し、敷地の空地率は60%、緑被率は33%を達成する予定だ。さらに周囲を歩道状空地として整備し、安全に通行できる環境をエリアに提供する。また公開空地にはマンホールトイレなどの防災設備を備え、災害時の一時避難場所としての活用も想定している。
 大崎エリアで住友不動産は、2018年に「大崎ガーデンタワー」を竣工させている。延床面積17万㎡の同ビルは竣工以来満室稼働を続けており、エリアにおけるオフィス需要の活発化を感じさせる。住友不動産では旺盛なニーズを見込み、引き続き大崎エリアでのオフィス供給を推進していく考え。

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