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リノベマンションのスター・マイカと「カウカモ」のツクルバ 中古マンション販売で業務提携

2019.12.23 14:11

 リノベーションマンションの供給を行うスター・マイカ・ホールディングス(東京都港区)のグループ会社、スター・マイカ(東京都港区)およびスター・マイカ・レジデンス(東京都港区)は、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を運営するツクルバ(東京都目黒区)と、今月13日に業務提携契約を締結した。
 今回の業務提携の背景には、多様化する消費者ニーズとリノベ中古マンション業界の構造的課題が挙げられる。中古マンション市場は年々拡大し、首都圏では2016年以降、中古マンション成約戸数が新築マンション供給戸数を上回る状態が続いている。その理由として、リーマンショック以降の新築マンション供給戸数の減少に加え、ライフスタイルの多様化により一人ひとりの価値観を反映させやすいリノベーションマンションの人気が高まったことが挙げられるだろう。
 こうした中、リノベーション物件の販売では、より消費者の好みに合ったデザイン開発の必要性と、感度の高い消費者にその物件情報をいかに的確に届けるか、という2つの課題があった。
 年間約1500戸の中古マンションを取得し、保有戸数日本一(11月現在)のスター・マイカグループと、会員登録ユーザー数12万人超の「cowcamo」で、累計6500件を超える物件を取扱うツクルバ。両社は「cowcamo」ユーザーのデータを活用し、消費者の嗜好を踏まえたデザインパターンを開発する。購入検討者はスター・マイカが所有する物件において、リノベーションをする前に複数のデザインパターンから、好みに合うものを選べるようになる。さらに、VR技術を用いた販売の併用で、工事着工前でも具体的なイメージを持ちながら購入検討ができるようになるという。
 これらのサービスは、既にトライアルとして両社でスタートしており、実際の販売を通じて得られたデータに基づき改善を繰り返し、よりニーズに合致したパッケージ開発を進めていくという。2020年11月期には約30~40戸の販売を想定。リノベーション物件のさらなる流通加速を推進すると共に、内装工事前物件+リノベーションという、新しいカテゴリの創造にもチャレンジする。
 将来的には販売の仕組みそのものを外部業者にも開放。業界全体で、高品質なリノベーションマンションの流通促進を図ることも視野に入れている。

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