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三菱地所 コリビング事業に参入 渋谷区神泉町で第1号物件を開業

2019.10.15 14:41

 三菱地所(東京都千代田区)は、東南アジア最大の Co-Living(コリビング)運営事業者であるHmlet社(シンガポール)と、合弁会社Hmlet Japan(ハムレット・ジャパン、東京都千代田区)」を設立し、コリビング事業に参入した。10月中旬に東京都渋谷区神泉町(「神泉」駅徒歩2分、「渋谷」駅徒歩8分)に第1号物件となる「Hmlet@渋谷松濤」を開業する。
 「コリビング」とは、入居者同士のコミュニティ形成に重点を置いたシェアハウスのひとつ。働き方やライフスタイルの価値観が変化するなか、20~30代のミレニアル世代を中心にニューヨーク、ロンドン、シンガポール等の世界主要都市において普及しつつある。家具・家電が備え付けられており、転居の際に発生するイニシャルコストを大幅に抑制するなど、フレキシブルなライフスタイルを提供する。
 Hmlet Japanが展開するコリビングは、デザイン性の高い居住空間を提供するほか、コミュニティ・マネージャーが入居者同士のコミュニティ形成をサポート。入居者専用のウェブサイト・アプリも開発し、アプリを通じたイベントの告知などにより入居者同士のコミュニケーションを促進する。併せてクリーニングの依頼・受取りなど、生活面のサービスも提供する予定だ。
 三菱地所グループの不動産ソーシング力と、Hmlet社のコミュニティ運営力を活かして日本国内で事業を拡大。2019年度中に東京都心部を中心に100室以上、中長期的には大阪や名古屋などの大都市にもエリアを広げ、1万室以上の運営を目指している。
 海外においては、Hmlet社が既に事業展開しているシンガポール、香港、シドニーなどの各都市に所在する施設と連携。このネットワークを活かして、スムーズな海外転勤をサポートするサービスなどで付加価値を提供するほか、グローバルな人材交流も進めていく。Hmlet社はシンガポール、香港、オーストラリアの3カ国で800室を運営。アジアで積極的に事業を展開し、2019年末までに運営室数が約2500室になる見込みで、連携によるメリットはより大きくなるだろう。
 三菱地所のコリビング事業は、従来の不動産業に捉われない幅広い事業を育成することを目的として、2009年より社内公募している「新事業提案制度」による新規事業。今回この事業の提案者である佐々木謙一氏がハムレット・ジャパンの代表取締役に就任した。今後は国内はもちろん、海外においても新たなチャレンジを加速させる。

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