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モデルハウス、平日は民泊に D-Gripシステムが事業化へPJ立ち上げ

2019.07.01 12:21

民泊運営に新機軸
 世界から注目されている日本のインバウンド需要。2018年の訪日外国人数は8・7%増の3119万人にのぼり、その増加に伴う新たなビジネスが誕生し続けている。
 D-Gripシステム(東京都新宿区)は、代表者が元職人で工務店を経営した経験もあるという強みから、建築業界に特化したホームページ制作会社として1000社以上との取引がある。今回、その実績を生かし「モデルハウスを民泊として活用する事業」に乗り出す。
 同社は世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(東京都新宿区)とパートナー契約を締結。また旅行関連事業などを手掛けるエボラブルアジアグループのエアトリステイ(東京都港区)と業務提携を結んだ。加えて建築業界を牽引するさまざまな業種の8社(アイジーコンサルコンサルティング、オクト、カーサ・プロジェクト、サンプロ、鈴三材木店、LIFE QUARTET、FANFARE、ラン・リグ)もパートナーとして参画。プロジェクトが動き出した。
 近年は大手ハウスメーカーだけでなく、中小の工務店でもモデルハウスによる集客に力を入れている。経費をかけてモデルハウスを建築し顧客獲得や認知度の向上を目指しているが、有効に使われているのは週末だけであり、平日は訪れる来場者が少ないのが現状だろう。金曜日は土曜日の準備、月曜日は日曜日の後片付けにあてられ、火曜日や水曜日は休日にしている建築会社も多いため、火曜日から木曜日までの平日3日間だけを活用した民泊運用を提案する。
 住宅宿泊事業法が2018年6月15日に施行。1年の営業日数が180日以内と定められているが、今回の民泊モデルハウス事業は週3日の運用。月間12日、年間144日になるので日数制限もクリアする。
 モデルハウスは間取りや設備も充実していることから、宿泊施設として見た場合高級なグレードとなると判断。それがホテルよりもリーズナブルに宿泊できるため、外国人観光客だけでなく日本人の観光客の利用頻度も高まることが期待される。稼げるモデルハウスにすることで、収益で運営費を賄うことができるうえ地域ビルダーや工務店もモデルハウスを建てやすくなる。こうしたプラスの循環が建築業界の活性化につながると同社は予測している。

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