週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「みやこ下地島空港ターミナル」が30日開業 三菱地所が宮古諸島の国際リゾート化目指し整備

2019.03.25 14:50

 三菱地所(東京都千代田区)は、「下地島空港における国際線等旅客施設整備・運営及びプライベート機受入事業」として宮古島市伊良部地区で旅客ターミナル施設「みやこ下地島空港ターミナル」の開発を進めてきたが、施設が今月11日に竣工、同16日に竣工式を執り行った。
 現在、今月30日の開業に向けた準備を同施設の運営会社である下地島エアポートマネジメント(沖縄県宮古島市)とともに進めているが、県が運営する「下地島空港」と下地島エアポートマネジメントが運営する「みやこ下地島空港ターミナル」が、国内外の人々に宮古諸島の魅力を伝えるゲートウェイとなり、交流人口の拡大や地域活性化に寄与するよう事業を推進する。
 「みやこ下地島空港ターミナル」は敷地面積3万2586㎡、延床面積1万2027㎡、RC造・一部鉄骨造及び木造(CLT)地下1階地上2階(旅客エリアは地上1階のみ)の施設。
 同施設は、国内屈指のリゾート地として人気の高い宮古諸島に、国内線機能を拡充するとともに国際線機能を整備し、国際的なリゾート地としての更なる成長に貢献。パイロット訓練飛行場としての機能のみならず、一般旅客が使用できる空港として再出発を図った。また、キーコンセプトを「空港から、リゾート、はじまる。」と定め、空港利用者や航空会社の視点に立った施設づくりに取り組む。豊かな緑や自然の光を取り込み、空港に到着した瞬間から、宮古諸島を離れる航空機へ搭乗する直前まで、リゾート体験を感じてもらえるよう、利用者がくつろげる空間を目指した。ターミナル正面にレンタカーの乗り出し・返却エリアを整備する等旅行者の動線を意識した設計となっており、観光客にとっての使い勝手の良さを追求している。
 同施設では空港ターミナルとして全国で初めて、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネルであるCLT(直交集成板)を屋根の構造材に採用。1棟あたりのCLT使用量(約1530m3)で日本一の施設となる予定(日本CLT協会調べ)。CLTは1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい構造材で、今後日本での普及が見込まれる。また、同様に空港ターミナルとして全国初となる「ネット・ゼロ・エネルギービル」の取り組みを実施している。  また、施設は国が基準とするビルと比較して、68%の一次エネルギー消費を削減する計画。具体的には深い庇による日射遮蔽、大開口による積極的な自然換気による熱負荷の削減のほか、気化熱空調システムなどを採用し、経済産業省資源エネルギー庁の「ZEB ロードマップ」においてはZEB Ready ランク、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)では最高ランクの認定を受けている。ZEBの実現に対しては、経済産業省のZEB実証事業制度を活用している。 三菱地所は2つのエコへの取り組みで「エコアイランド宮古島」に相応しい施設を目指す。

PAGE TOPへ