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三井不 新本社で顔認証セキュリティ導入 次世代決済システムの実証も開始

2019.02.25 18:38

 三井不動産(東京都中央区)は、3月竣工予定の「日本橋室町三井タワー」に今年8月よりオフィスを移転する予定だが、入居フロアにおいて従業員の利便性向上やオフィスにおけるセキュリティ強化を目的に顔認証技術を活用した入退セキュリティを導入する。また、現在入居している「銀座6丁目-SQUARE」において、今年4月に顔認証技術を用いた決済システムの実証実験を行う。
   同社はパナソニックが提供する顔認証入退セキュリティシステム「KPAS(ケイパス)」をベースとし、両社の共創による特注システムを専有部執務室への入口扉およびエレベーターホールのセキュリティゲートに設置する。本システムはゲート、チェッカー(専有部入口用機器)、管理用サーバー、顔認証用サーバーにより構成されている。顔情報は写真で一括登録することが可能。管理者の負担も少なく、またカードの貸し借りによるなりすましや、不正入場の防止、カード紛失のリスクおよび再発行にかかる運用コストの削減が期待できる。
 また、顔認証技術を活用した決済システムの実証実験は、「銀座6丁目-SQUARE」内のグループ従業員用カフェテリア「囲(かこい)」にて、日本電気が提供する顔認証AIエンジン「NeoFace(ネオフェイス)」を活用し行う。 本システムでは、利用者はスマートフォンやタブレットのアプリで自身の顔認証情報を簡単に登録することができる。カード情報はクレジットカード会社が管理し、顔情報データはNECの顔認証決済サービスで管理するため、店舗での個人情報とカード情報の取り扱いはなく、セキュリティ対策を軽減できる。 
 三井不動産では実験結果を分析し、「日本橋室町三井タワー」の入居フロアへ決済システムの導入については、顔認証を含めた生体認証決済技術一般について引き続き評価、検証の上で決定するとしている。

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