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フィル・カンパニー クラファンを活用へ 開発販売スキームの具体化へクラウドポートと連携

2019.01.15 14:23

 駐車場の上部"未利用空間"を活用した「空中店舗フィル・パーク」事業を展開しているフィル・カンパニー(東京都千代田区)は、クラウドポート(東京都渋谷区)とクラウドファンディングの仕組みを活用した開発販売スキームの具現化に向けた検討を開始した。
 同社は空中店舗フィル・パーク事業の更なる認知と信用力拡大のために、請負受注スキームと開発販売スキームの両輪で、1つでも多くのフィル・パークをまちに拡げていくことを基本戦略としている。後者の開発販売スキームにおきましては、土地オーナーだけでなく一般投資家や機関投資家の高まる不動産投資ニーズに応えるため、投資対象としてのフィル・パークを同社グループが企画・開発・販売することとし、そのスキームの構築を図っている。具体的には、同社グループにおける財務状況を勘案しながら、リピート顧客、一般投資家や機関投資家とのコネクションを持つ戦略的パートナーへの直接販売とし、段階的な販売チャネルの拡大・販売スキームの開発に取り組んでいる。
 クラウドポートは、スマートフォンひとつで簡単に様々な企業への貸付ファンドに投資し、分配金を得ることができるオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」の提供企業であることから、このたび、クラウドポートとのクラウドファンディングの仕組みを活用した開発販売スキームの具体的検討・構築を通じた当該スキームの更なる拡大を意図し、新たな取組の検討を開始した。
 クラウドファンディングの仕組みを活用した同社における開発販売スキームの投資家にとっての新しい価値は、「投資を通じて、投資家がまちづくりに参加できる」ということにある。
 従来の空中店舗フィル・パーク事業では、あるフィル・パーク作りに関わるプレイヤーは、「土地活用に困っているオーナー」と「テナント」、「利用者/顧客」、「フィル・カンパニー」の4者であって、まちに生きる一人ひとりは「ユーザー」としての関わりに留まっていた。
 同取り組みでは、まちに生活する一人ひとりの「ユーザー」に投資家として関わる機会を提供することを通じて、投資家に「土地を一緒に再生させていく5番目のメンバー」として関わるようにすることで、出来上がった建物からの利回りを得られるメリットだけではなく、「その土地再生を通して人々がまちづくりを行う」というストーリーの立役者になれるということを価値として提供したいと考えている。
 今後の進め方としては事業開始までのスピードを重視し、他社との協業などを活用してサービスのリリースを目指す。リリース後、案件実績を踏まえながら将来的には同社における関連許認可(第2種金融商品取引業、不動産特定共同事業法第3号・第4号事業者など)の取得も視野に検討を進める。

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