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加瀬倉庫 女性専用レンタルオフィス開設

2018.08.27 13:07

 女性専用のレンタルオフィスは、今までありそうで、あまり見かけない施設であった。それはサービスオフィスの激戦区・神田エリアでも同じ。そんな中、加瀬倉庫は女性専用のオフィスに着目し開設。トランクルームや貸会議室も利用できる点をアピールする。

 賃貸ビルで発生した空室の利活用や空き地の土地活用に好まれるトランクルーム。そのトランクルームを不動産オーナーに対して提案し好評を得ている加瀬倉庫(横浜市港北区)は、トランクルームと貸会議室、レンタルオフィスなどを複合的に組み合わせたプランも展開する。そして今月7日、その特長を生かしつつ新たな取り組みとして自社保有物件「加瀬ビル173」の9階を女性専用のレンタルオフィスとして運営開始した。
「加瀬ビル173」はJR「神田」駅から徒歩1分、神田須田町に立地する地上9階地下1階の賃貸ビル。約4年前に同社が取得した、2003年8月竣工の物件である。路面店と地下1階は飲食店舗が入居し、それより上の階はマッサージ店が利用していた。その後、マッサージ店の退去なども重なり空室が発生。一度はテナントを募集し、賃貸ビルとして運営しようと検討した。しかし、以前の入居テナントがマッサージ店ということもあり印象が芳しくないため、同社が展開する時間貸しの貸会議室を導入。更に今年3月から別フロアで、レンタルオフィスとトランクルームも開始した。
 第二開発・建物活用部の木村純一氏は「8~9階がレンタルオフィス、5階と7階がトランクルーム、3~4階が貸会議室と用途ごとに2フロア用意し、駅近くというアクセス性とそれぞれの機能性が加わることで非常に至便性の高いビルに仕上がっております。『東京』駅にも近いため、地方企業の東京支店や営業所としてレンタルオフィスを利用するニーズにも応えることが可能です」と施設の特長について語る。
 そして今回は「加瀬ビル173」の9階に、女性専用のレンタルオフィスを開設した。そもそも近隣では他社が展開するレンタルオフィスやシェアオフィスが多く、利用者確保の競争も年々激しさを増している。コンシェルジュ付きの高付加価値サービスを強みとするオフィスも見られ、その分、利用料金を多少割高に設定しているとのこと。一方で無人管理を採用し、他社よりもリーズナブルな点が魅力のレンタルオフィスも多いため、同社も様々な視点からビルの差別化や特徴付けを行う必要があった。そこで注目したのが女性専用のレンタルオフィス。9階を女性専用のオフィスにすることで女性が安心して業務に集中できる環境にし、かつ従来と同様にトランクルームや貸会議室も利用できる。
 木村氏は「個人用のスモールオフィスを12室用意し、室内デザインもこれまでの落ち着いたデザインが特長の既存オフィスとは異なった、女性好みの内装に仕上げております。リーズナブルかつ女性しか利用できないオフィスにしたこと、加えてトランクルームや貸会議室も利用できることで物件の付加価値に繋がり、更には高稼働へと結びつくと考えております」と語った。
 利用者側の目線も意識して設立した女性専用のレンタルオフィス。女性からの評価を得て、高稼働に繋がるか今後に注目である。

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