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東京都港区 協定木材を使ったテナント店舗等に助成

2018.08.13 14:58

第二回目の締め切りは9月14日
 東京都港区は、新たに店舗等を開設したり、改装するテナント店舗等で国産木材を使用した事業者および物件所有者に対し、助成を行うこととした。助成の主な条件は、以下の通りである。まず港区と協定を締結した自治体から産出される協定木材を、内外装や家具等に目立つ形で使用すること。区民等へのPR性が期待できること。
 審査会においてこれら条件を満たしていると認められた場合、仕上げ材や家具の設置にかかる経費の2分の1、最大250万円までを助成。実施期間は平成30年度から平成32年度までを予定している。なお、対象は港区内に新たに店舗を開設、もしくは既存店舗を改修するテナントや物件所有者だ。港区外に法人としての拠点があり、新たに店舗を港区内に新設する場合も、今回の助成の対象となる。
 この助成事業の背景には、港区の二酸化炭素の排出量がある。港区の二酸化炭素排出量は、東京都内の市区町村で最も多い。国産木材を建築物に使っていくことで森林整備が進み、二酸化炭素の吸収にもつながる。こうした側面から、港区は温暖化対策として木材を活用していきたいと考えている。
 港区は平成23年の10月から、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」により建築物への国産木材の使用を推進している。本制度を活用した建築物はすでに120件にのぼり、都国産木材活用により港区内の二酸化炭素排出量を削減するための効果を上げてきた。
 本制度もすでに5年以上経過しているものの、オフィスビルやテナントなどの外観や内装で「協定木材」が使われている事例は少ない。内装や外観などの目に見えるところで使って欲しいという意図から生まれたのが、今回の助成事業だ。
 なお本助成事業の審査会は、今年の7・9・12月に行われる予定。第二回の締切は、9月14日(金)だ。
 「助成事業を通じて、協定木材を活用したモデル店舗をつくっていきたいです。路面店はもちろん、商業施設に入っていても構いません。SNSでモデル店舗の情報が、拡散していくことを期待しています」と語る、港区環境リサイクル支援部の目時有也氏。
 また同部の黒川亮係長は、「港区には、木材を前面に使った建物や店舗は少ない状況にあります。これを契機に、国産の木材がたくさん使われることを期待しています」と語った。
 東京オリンピックに向け、新国立競技場をはじめ、国産木材が使われるような機運が高まっている。テナントや店舗でも、大いに使われることが期待される。

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