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不動産デベ物流施設開発の流れ加速

2018.06.04 18:21

 物流施設の開発が各地で加速化している。昨今トレンドとなっているのが、都心部からの交通利便性に優れた土地に大規模高機能型の施設を建設し、複数の物流テナントに貸し出すマルチテナント型。オフィスビルやリテールの新規開発に頭打ち感が漂うなか、いわゆる物流不動産はまだ伸張が期待できる分野だ。不動産デベ各社が力を入れ始めており、物流適地の争奪も現出している。

東急不動産 松戸に物流施設着工 三菱UFJリース、CPDと共同で
 東急不動産(東京都港区)は5月25日、三菱UFJリース(東京都千代田区)、センターポイント・ディベロップメント(東京都千代田区、以下CPD)は3社が共同出資する「松戸2ロジスティクス合同会社」を建築主とする「(仮称)CPD松戸2.物流センター」を着工したと発表した。アセットマネジメント業務はCPDが受託、竣工は2019年2月末を予定する。
 「(仮称)CPD松戸2.物流センター」は都心部から20km圏内に位置し、東京外環自動車道および主要幹線道路の国道6号線へのアクセスに優れる。また住宅に近接していること、新京成線「みのり台」駅から徒歩圏内に位置していることにくわえ、JR常磐線「松戸」駅およびJR武蔵野線「東松戸」駅からバスを利用しての通勤も可能であることから、労働力確保が比較的容易な立地となっている。さらに用途地域は稔台工業団地内の工業専用地域で24時間操業が可能であることから、都心への配送拠点および外環道を通じた広域物流拠点としてその立地優位性が見込まれる。
 同施設は地上4階建てで1階にパースを配置する計画。1社の専用センターもしくはマルチテナント型の双方に対応できるように計画している。
 なお3社では別途出資する「松戸ロジスティクス特定目的会社」が同施設に近接する「(仮称)CPD松戸物流センター」の建設も進めている。CPDがアセットマネジメント業務を受託し、2018年8月に竣工を予定する。

トーセイ 首都圏中心の物流施設開発事業開始 中計の成長戦略の一環として
 トーセイ(東京都港区)は5月30日に神奈川県相模原市緑区橋本台において、グループで初となる物流施設の開発用地を取得したと発表した。
 今般、ネット通販などのeコマース市場は拡大を続ける。それとともに物流施設の需要は高い水準で推移している。このような社会的ニーズに応えるべく、今回の事業開始の発表となった。第一弾となった相模原市の用地は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「相模原インターチェンジ」の5km圏内に立地しているため、広域配送の拠点として利便性が高いエリア。さらに人口70万人を超える相模原市内やその周辺地域への近距離配送にも適している。
 今回の物流施設の開発は中期経営計画「Seamless Growth 2020」における成長戦略として策定した「新規ビジネスの展開」の1つ。プロジェクトを推進するにあたり、同社のテナントリーシング力やグループ会社のトーセイ・コミュニティ(東京都港区)、トーセイ・リバイバル・インベストメント(東京都港区)による物流施設のPM業務受託実績(合計延床面積10万坪以上)等、グループがこれまで培ってきたノウハウを終結させ、テナントニーズにマッチする機能性の高い物流施設を開発していくという。竣工は2020年3月を予定している。

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