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台東区/NPO法人「空き家活用プロジェクト」ジェクトワン

2018.03.26 17:53

空家からまちづくりを考えるセミナー開催
 台東区役所住宅課とNPO法人「空き家活用プロジェクト」は13日、「空き家からまちづくりを考えるセミナー」を開催した。
 第1部は講師に東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の協力研究員の長島洋介氏、学術支援専門職員の吉田涼子氏を迎え、「長寿時代のまちづくり~Aging in Place ―長寿時代の産官学民協働まちづくり~」、「エイジフレンドリーシティ」(高齢者に優しい都市)について地域包括ケアシステムの事例をあげながら説明。富山市の「歩きたくなるまち」、千葉県柏市の「セカンドライフ就労」など、各地の例を写真とともに紹介された。「長寿時代のまちづくりとは、『元気に、生き生きと、安心して』の3つを大事にしながら年齢にかかわらず暮らし続けていける地域を産官学民で取り組んでいくのが進むべきまちづくりの姿かと思います」(長島氏)といい、吉田氏による「鎌倉リビングラボ」の紹介ではまず「リビングラボとは生活者(当事者)、自治体、大学、企業が入り、そこにイノベーションを起こそうという取組み。テストコミュニティと呼ばれる生活の現場があり、生活者の困ったことなどのニーズをくみ取り、必要なことを計画し、実際にモノやサービスを生み出すという入口から出口まで、産官学民で協同する取組みのこと。北欧を中心に世界で400以上展開されているが日本は始まったばかり。この1年程で見られるようになった」と説明がなされ、実際に鎌倉で行われている様子を紹介。
 また第2部ではエンジョイワークス(神奈川県鎌倉市)事業企画部・濱口智明氏とジェクトワン(東京都渋谷区)経営企画部・清水貴仁氏による「地域資源の活用とまちづくり」と題し、講演がなされた。ジェクトワンによる「空き家を活用することの面白さと街を強くする必要性」がクラウドファンディングの活用事例とともになされた。約60名の参加者は熱心にメモを取り聞き入っており、熱心な質問をする参加者もみられた。日本の空き家は年々増加しており、全国で全体の13%という現状だ。このような草の根的なセミナー開催が空き家の有効活用が広がる一助となるだろう。

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