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三井不動産/シスコシステムズ IoT活用した防災高度化実証実験を開始

2017.12.25 10:26

日本橋エリアの安心・安全な街づくりへ向けて
 三井不動産(東京都中央区)とシスコシステムズ(東京都港区)は、日本橋エリアにおいて、2020年およびそれ以降に向けた安心・安全な街づくりを目指し「日本橋室町エリア防災高度化実行委員会」を設立。ICT(情報通信技術)を活用した防災サービスに関する「日本橋室町エリア防災高度化実証実験」を、2018年1月より開始する。

 三井不動産(東京都中央区)とシスコシステムズ(東京都港区)は、日本橋エリアにおいて、2020年およびそれ以降に向け、安心・安全な街づくりを目指し「日本橋室町エリア防災高度化実行委員会」を立ち上げ、ICTを活用した防災サービスに関する実証実験を2018年1月より開始する。
 2011年3月の東日本大震災、2016年4月の熊本地震など、国内では近年複数の大規模地震のほか、台風や記録的な大雨、大雪等による被害などの自然災害が多数発生している。さまざまな災害が発生した際、特に、人口が集中する都市部においては、状況を正しく把握し、適切な情報提供や誘導などの対応を迅速に行うことが非常に重要となる。また、2020年に向け、世界の国々からたくさんの人々が日本を訪れる中、災害発生時にとどまらず、平常時においても安心安全な国際都市としての機能を強化していくことが求められている。
 今回、これらの課題解決に向けた取り組みの一環として、ICT活用による日本橋エリアの防災プラットフォームを構築、平常時も含めた都市機能全体の向上、スマートシティ化を推進することを目的に、「日本橋室町エリア防災高度化実証実験」を開始する。平常時・災害発生時にICTを活用し、IoTデータ情報を取得、分析するためにCisco Kinetic for Citiesを基盤として活用。この基盤を使うことにより、例えば、室町東三井ビルディングのフロアで来訪者が転倒した場合、その状況を画像認識技術(AI)で自動検知し、一番近くに居るビル管理スタッフにコミュニケーションツールで自動通知を行い、直ぐに対応することができる。また、災害発生時において、施設の被災状況や来街者・在街者の避難状況を迅速に把握、避難誘導や帰宅困難者受け入れの最適化支援に役立てることを計画している。
 実験の目的は(1)施設内における事故等の情報収集と運営側への情報共有をICTを活用し、自動的かつシームレスに行うこと、(2)施設内において傷病者が発生した場合の対応を、ICTを活用し、より速く、より円滑に行うこと、(3)大規模災害時における帰宅困難者受入施設の情報把握・運営を、ICTを活用し、正確かつタイムリーに行うことの3点。
 実証実験の実施場所は日本町室町エリアにある室町東三井ビルディング各フロアで、実施時期は第一弾として2018年1月初旬から4月下旬までを予定し、2018年3月に、公開実験を行うことも検討している。
 実験にはこのほかにカメラとAIによる画像開発を得意とするクリューシステムズ(東京都千代田区)とアプリケーション開発元のCoaido(東京都文京区)が参画している。
 両社は「これからも、街で働く人、住む人、訪れる人すべてにとって、魅力的で安心安全な街づくりに向けて、相互の強みを生かし、協力していく」としている。

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