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<マーケットの展望>投資市場はTier2都市を求める動き

2017.12.11 17:23

C&Wがレポート発表
 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(日本本社:東京都千代田区)は、最新の世界不動産投資市場の動向をまとめたレポート「Winning In Growth Cities(成長都市への投資)」を発表した。このレポートは年1回同社が発表しているもので、世界の主要都市における不動産取引量などのデータから、投資市場の過熱度やクロスボーダー取引の動向を分析している。
 このレポートによれば、世界の投資市場の取引金額は今年6月までの1年間に前年比で4・0%増加。ニューヨークやロンドン、東京といった世界的なゲートウェイ都市を中心に不動産価格は過去最高水準であるにもかかわらず、投資家の投資意欲は引き続き旺盛であることが分かる。また、投資家は新たな投資機会をゲートウェイ都市内における新興サブマーケットや、市場規模や都市の成熟度などでゲートウェイ都市に次ぐ「Tier2都市」に求める動きが本格化しつつある。日本を例に挙げれば、前者は東京の中で再開発等により今後の成長性が期待される池袋や品川、後者は福岡や横浜が該当する。同社ディレクターの鈴木英晃氏は次のように述べる。
 「福岡ではホテルアセットに投資家の視線が寄せられています。また、横浜ではIR(統合型リゾート)の整備構想もあり、将来性のある有望な投資対象として投資家は見ています。いずれも外国人観光客の増加が投資家の意欲を盛り上げた背景があります。一方で日本は低金利が追い風となり国内の投資家が市場の大部分を占めている状況です。内需主導型のマーケットは他のゲートウェイ都市と比較しても顕著ですが、今後さらにクロスボーダー取引が増加し国内の投資家もグローバルな投資活動にもシフトしていくものとみられます」

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