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龍名館 新橋に新ホテル18年末開業 コンセプトは「お茶」

2017.12.11 17:31

 旅館の老舗である龍名館(東京都千代田区)が100年ぶりに用地を取得し、開業120年を迎える2018年12月1日にホテルを開業する。龍名館が旅館として創業した1899年を冠したブランド「1899(イチハチキュウキュウ)」の第1号となるホテルだ。
 東京・新橋に開業する「ホテル1899東京」は、お茶をテーマに日本らしさを打ち出した宿泊特化型。約18~34平米の客室は茶屋がイメージの「庵」をコンセプトとした4種類のデザインで、ダブルとツイン合わせて63室を予定している。
 客室内はやわらかいグリーンと木目を基調とし、縁側のように腰をおろすことができるよう部屋の半分の床を約40センチ高くする。また一部の客室には茶屋の縁側をモチーフにした家具を設置するなど、日本的な設えを随所に取り入れる。また洗面台をベッドルーム内に設置し、いつでもお茶を飲めるよう配慮した客室を設けるほか、各客室にはオリジナルの日本茶も用意する。2階に設けるフロントには日本茶を試飲できるカウンターを用意し、お茶に関連する商品を販売する店舗も設ける。
 1階はお茶を使った料理とスイーツを提供するレストラン兼デリカテッセン「DELI&BAR」とし、宿泊者向けの朝食のほか一般客も利用できるランチ、カフェ、ディナーも提供。龍名館オリジナルも含め常時10種類以上の日本茶茶葉の販売も行う。
 建物は敷地面積370㎡、延床面積2387㎡の地上9階建て。投資額は35億円で、目標宿泊客数は年間2万組、年間売上目標は約4億円。運営は新たに設立した100%子会社の1899ホスピタリティが行う。
 龍名館では今後も新規出店を検討しており、「龍名館」と「1899」の2ブランドのホテルを関東、関西の主要都市で展開したい考え。2030年以降には旗艦ホテルである「ホテル龍名館お茶の水本店」の建て替えも構想しており、これに向けた動きを活発化させるとしている。

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