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リセット協会 三菱総研ビジネスコンテストで敢闘賞

2017.10.09 14:59

タイルカーペット洗浄で技術革新
 三菱総合研究所(東京都千代田区)が主宰する社会課題解決をテーマにした。「ビジネスアイデアコンテスト2017年」において、日本カーペットタイルリセット協会(東京都江東区)が提案するタイルカーペットの新たな清掃方法「リセット施工(再生洗浄)」が敢闘賞を受賞した。「エネルギー・環境」と「水・食料」をテーマに設定。90件超の応募の中からビルメン業界発の新たな技術革新は審査員から「すぐに事業化できる」とのお墨付きをもらうほどの高評価を獲得した。

 審査委員長は三菱総合研究所の小宮山宏理事長が務め、審査委員にはスタンフォード大学米国・アジア技術マネジメントセンターのリチャード・ダッシャー所長、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲蔭正彦委員長・教授、ベンチャーキャピタルTomyKの鎌田富久代表、京都大学経営管理大学院の椙山泰生教授が名を連ねた。日本カーペットタイルリセット協会が提案したのは「障害者によりタイルカーペットを再生し、長寿命化を図る事業」だ。「リセット施工」とはカーペット丸洗い再生マシン「バルチャーオートシリーズ」を活用し、タイルカーペットを投入し丸洗いすることで新品同様に再生する清掃技術のこと。タイルカーペットの寿命を飛躍的に伸ばし、コスト削減以上に廃棄物削減につながる。さらに使用法は非常に簡単で、汚れたタイルカーペットをマシンに投入するだけで自動洗浄されるので、障害者の雇用創出も期待できる。
 9月15日に実施された最終審査の結果、敢闘賞を受賞。受賞理由は「ビル清掃に従事する立場ならではの視点で日本のタイルカーペットが大量に無駄に廃棄されていることを世に示した。同時に知的障害者の雇用を大きく創出できるビジネスモデルを構築した点を評価」された。当初は最優秀賞と三菱総研賞しかなかったが、今後のビジネス展開を期待して新たに敢闘賞が設けられることになった。
 同協会では会員への授賞報告会を10月4日に実施。授与式も行われた。三菱総合研究所の担当者は「こうしたベンチャー向けのビジネスコンテストは『場慣れ』した参加者が多い中、初参加で受賞したのは快挙」と述べ、続けて敢闘賞にとどまった理由について「すでに事業化まで進んでおり、協会として参加したため。ベンチャー企業として参加していれば、その場で出資が集まったのでは」と絶賛。今回の受賞により、リセット施工の有用性が証明されることになった。普及拡大に向けて「大きな追い風」となりそうだ。

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