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大林組 「水素」製造システム構築 CO2排出量を抑制18年4月完成目指す

2017.09.11 13:15

 大林組(東京都港区)は技術研究所において再生可能エネルギーを利用してCO2フリー水素を製造する水素エネルギーシステムを構築し、製造、貯蔵、利用の各段階で実証を行います。同実証で得られた知見は将来、既に取り組んでいる再生可能エネルギー発電事業と組み合わせた水素エネルギー供給事業への参画も見据えていく。
 水素は利用の段階でCO2を排出しないクリーンエネルギーだが現在は石油や天然ガスなどの化石燃料を化学反応させて製造するのが一般的で製造過程でCO2が排出される。再生可能エネルギーにより水を電気分解する方法で製造される水素は「CO2フリー水素」とよばれ、製造時のCO2排出を抑制できるためCO2排出量削減に大きく貢献する。
 また、水素には電力貯蔵の点で比較的安価に大容量化しやすいうえ、時間の経過とともに減少しにくいという性質があるため大量かつ長期間にわたって電力を貯蔵する場合には蓄電池よりも優位であるとの研究結果がある。
 大林組はこれらの潮流を見据え、技術研究所に設置されている既存再生可能エネルギー発電設備を活用し、新たに「CO2フリー水素」を製造する水素エネルギーシステムを構築する。ノウハウの獲得や実績の蓄積を目的とし、製造、貯蔵、利用の各段階を実証することでシステム全体の最適化を目指していく。同システムは2018年4月中の完成を予定している。

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