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セットアップ横浜 築年数の経過で歪んだドア枠でもスムーズに開閉できる補助装置

2017.08.07 13:59

 奈良建設(横浜市港北区)の100%子会社であるセットアップ横浜(横浜市港北区)は、地震発生後のドアの開閉を補助する装置「デレル8」を販売している。
 「デレル8」は、地震によって変形したドア枠が原因で開閉が難しくなったドアをコロの原理を利用してスムーズに開閉できるようにした補助装置。同製品を戸先に設置し、縦と横に着いたローラーがドア枠を転がることでスムーズな開閉につながる。ドアとドア枠は若干の隙間があることで開閉が可能になる。が、地震によってドア枠とドアの間の隙間がなくなったり、立て付けが歪んでも開閉が非常に困難になってしまう。揺れが大きいほど枠は菱形に変形するため、大きな地震などではドアが開かない事態が多発する。そうした問題の解決に威力を発するのが、接触抵抗を和らげるローラー。大切な隙間を確保しつつローラーがドア枠を転がるため、そのような事態を防ぐことができる。
 営業部長の山田紀雄氏は「従来までの製品は、ドアが開かなくなることを防止する製品が一般的でした。ですが開放したままの状態であると室内に誰でも簡単に侵入できます。地震発生後は混乱に乗じた火事場泥棒も多く、近くの避難場所に一時的に避難していた際に被害にあう場合をよく聞きます。その点、『デレル8』は閉める補助機能もあり、開放したままの状態をなくすことができます」と他社製品との違いを説明する。
 また老朽化したドアの開閉改善にも効果的である。ドア枠は物件の築年数の経過によっても歪んでしまい、交換するにしても高額な施工費用が掛かってしまう。結果、ドアの交換費用を抑えたいが為にそのまま放置してしまうことも見られ、ドアが開き難いとテナントや入居者からクレームが来るまで交換しない場合もある。同社は不動産オーナーや管理会社に対して、老朽化したドアの開閉改善に繋がること、「デレル8」の設置費用がドアの交換費用と比較し割安であること、後付け可能で施工期間も1日で終了することなどを説明し設置・導入を進めている。現在では導入を前向きに検討するケースも増加している。
 山田氏は「開放時にドア枠のひずみが10mm前後になると開放要力は100kgを超え成人男性でも重く感じます。一方『デレル8』を取り付ければひずみが17mm~18mm前後でも(通常ドアW・H対応)開放要力は約35kgで済み、楽々と開けることが可能です。この様に施設の老朽化改善にも繋がります」と成果について語った。

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