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日本JP機構 プロの知恵で中小ビルオーナーの導入を支援

2017.08.07 14:02

新電力の意外な落とし穴を防ぐ
 2016年4月より完全自由化となった新電力。ビルで多く使用されている高圧電力は以前から自由化されていたが、低圧電力の自由化スタートと同時に関心を持ったビルオーナーも多い。一方で、「新電力の見積りが予想以上に高い」、あるいは「見積りをしたが断られた」というケースもあるのではないか。
 「そのようなケースは信用調査会社による『評点』が影響している可能性があります」
 このように指摘するのは日本JP機構(東京都千代田区)代表理事の岡田育大氏だ。
 電力の自由化は価格競争をもたらすことから、需要家にとっては期待の向きが大きかった。ほとんどが高圧電力を利用しているビルにおいては、自由化はかつてから行われていたが、ほとんどのビルオーナーは2016年春の低圧自由化がスタートラインとなった。
 しかし、実際に導入した事例は少数にとどまる。ひとつはビルオーナー側の過度な期待も挙げられるが、もうひとつは冒頭に挙げたような理由だ。その背景には中小企業であるためのハンデもあるようだ。岡田氏は次のように指摘する。
 「新電力会社にとっても供給先が破綻し、料金回収ができなくなることを恐れています。そのために、本来提供できる価格に多少の上乗せが行われる。このことが新電力の価格メリットを薄くさせている要因になっているとも思います」
 そこで同機構が昨秋よりスタートさせたサービスが「Aランク新電力」だ。これは個々の中小企業の需要家に対し、最適な電力会社との契約までをサポートするとともに、新電力会社側が懸念を持っている事業者の信用力の担保を可能にしている。
 中小企業が最適な新電力会社から最適な価格でのサービスを受けられることがこのサービスの肝。それを実現するのは中小企業「1社」では難しい。
 「当社のサービスに多くの中小企業が賛同することによって、ひとつの群ができます。その力を活用することで、新電力会社との交渉力につなげています」(岡田氏)
 一方で信用力の問題についても、サービススキームのなかで解決を図っている。同社を通して新電力を契約する場合、保険会社による「エネルギー保険」を適用されるため、新電力会社側にとっても万一の事態に未回収が起きないような仕組みがつくられている。
 このようなサービス体系が実現した背景には税務・会計の専門家とエネルギーに関する専門家の英知が結集したからと言える。
 「当機構は中小企業の電力コスト削減をはじめとして、経営の活性化を応援するために設立されました。新電力におけるエネルギー分野での専門家、金融保険の専門家、税務会計の専門家と協力し、アドバイスを受けています」(岡田氏)
 電力自由化は中小企業にとってメリットが大きい施策。それはビルオーナーにとっても同様だが、現状ではメリットを十分に感じられるまでには至っていない。
 「我々のスキームでそこに風穴を開けていきたい」(岡田氏)との言葉に期待したい。


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