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三菱地所/野村総合研究所/大丸有環境共生型まちづくり推進協会

2017.07.03 17:25

丸の内で「健康経営」指南
従業員の健康状態・終了状況を「見える化」するトライアル開始

 先月27日、三菱地所(東京都千代田区)、野村総合研究所(東京都千代田区)、大丸有環境共生型まちづくり推進協会(東京都千代田区、以下エコッツェリア協会)は「丸ビル」1階マルキューブにて、丸の内エリアの従業員を対象とした働き方改革と健康経営のトータルソリューション「クルソグ」を発表。併せて同日より約4カ月間のトライアル期間がスタートした。
 「クルソグ(QOOLSOG)」はQOL(Quality Of Life)の間に「Office-Worker」をはさんだ造語「Quality of office―worker`s life so good!」の略。オフィスワーカーのワーク&ライフの質の向上をWell-Being(健康による幸福)の視点から「ICT×街×オフィス」から成る独自のソリューションで実現する。
 「クルソグ」は要望に応じて参加企業およびその健康保険組合から就業者の労務・検針データ等の提供を受け、野村総合研究所が開発したウェブアプリ「Well plus+(ウェルプラス)」を活用、従業員ひとりひとりの健康状態や就労状況の見える化を行う。「Well plus+」を通して蓄積されるデータを基に、三菱地所が主体となって提供する「運動」や「食」などを切り口として丸の内エリアの多様なプログラムを参加企業の従業員に案内するサービスとなる。利用する従業員に対し意識改革・行動変容を促すとともに、企業にとっては単に労働時間を短くするだけの「働き方改革」だけでなく、Well-Beingを高める「健康経営」の実現も目指す。アプリ等のICTとエリアコンテンツが連動するサービスは日本初の試みだ。
 会見冒頭には三菱地所取締役会長の杉山博孝会長と野村総合研究所取締役会長の嶋本正氏が挨拶。杉山氏は「働き方改革や長時間労働の是正が社会的に進み、生産性の向上も課題となっている。今回の取り組みを通して新たな働き方へのソリューションを生みだし、発信していきたいと考えています」と話し、嶋本氏は「イキイキ、はつらつと働くためには心身ともに健康であることは欠かせない。健康への管理・維持は簡単なことはありませんが、当社の開発したアプリはその難しさを緩和するものになると考えています」と語った。
 今回の取り組みには14社・約2万人(2017年6月27日時点)の参加が予定されている。約4300所の事業所が集積、約28万人が働く丸の内エリアへ拡張していくことができるか。今後の展開に注目が集まる。

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