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オルトリズム 店舗だけでなくビルオーナーも利用可能

2017.01.30 11:21

成約率の高いテナントマッチングサイト
 不動産IT事業を手掛けているオルトリズム(東京都渋谷区)が運営している「店舗市場」は賃貸物件から退去を考えている企業と新たに出店を企画している企業をマッチングさせるテナント向けの登録制の不動産情報サイト。テナントから退去する旨を伝えられると各企業に物件情報の提供を行い、仲介業者を介さずに出店希望者のテナント付けを行うことができる。
 従来ではオーナーや管理会社に解約通知を行い、入居希望者も同様に仲介会社を通じて家主と交渉を行う。そのため原状回復や仲介手数料のコストや契約までに時間が必要となる。
 紙中良太代表によると「管理会社や仲介業者に依頼するよりも旧テナントと新テナントがオーナーと直接交渉が成約率が高いと予想しています。店舗のリーシングは町場の仲介業者やブローカーが多く、オーナーもどこの業者に依頼すればいいのか分からないというケースも見られます。現在の『店舗市場』では420社が利用しています。コンビニなどの大手チェーン店のような出店ニーズが旺盛な企業やリピーターも多く、サイトの利用者でトラブルが起きたという事例は聞いたことがありません」と話す。
 また、事業用不動産オーナー向けの「ツクレル」という登録制サイトも運営している。保有している物件の住所や階数、賃料などを入力することによって「店舗市場」を利用している企業に物件の情報が発信され、入居を希望するテナントを見つけることができる。登録は無料であり、サイトを利用して成約された場合は退去テナントにはキャッシュバックが入る。
 紙中氏は「15~30坪の1階で駅から近く、なおかつ商業地に面している場合はすぐに入居を希望されるテナントが見つかるのではないでしょうか。直接の交渉は嫌だというオーナーは管理会社を挟んだ交渉も可能です。『ツクレル』は930名が利用し、成約率は約50%です。現在は75%を目指していますが、ゆくゆくは100%となるような運営をしていきます」とし、「私自身店舗を経営していたので、テナントの立場に立った運営をしています。オーナーにとっても退去後の家賃収入が途切れないことが最大のメリットです」と話す。
 空室を抱えている店舗ビルのオーナーにとっては利用する価値のあるサービスと言える。

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