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リアルゲイト 県営ホテルをスモールオフィスへ 改修費用は1億8000万円

2016.12.19 16:26

 不動産総合プロディース企業のリアルゲイト(東京都港区)が運営するスモールオフィスの出店が加速している。今年に入り有楽町、日本橋、中目黒等に次々と施設を開設。そして11月末に年内6施設目となる東京・麹町の「THE MOCK―UP」にて先行内覧会を開始した。リアルゲイトが手がけた不動産再生案件は30を数える。
 老朽化した未活用不動産をリアルゲイトが借り上げ、リノベーションによって共用部の施設を充実させ、賃貸スペースを小割りにした高収益物件として再生させる。これまで築古オフィスを中心に手がけていたが、今回は閉館した石川県営のホテルをスモールオフィスオフィスへコンバージョンした案件だ。
 リアルゲイトの代表取締役社長、岩本裕氏によると「県営ホテル閉館後は、ホテル・住居等の使用ができないという制限の中で、ホテルの間仕切りや廊下を生かしコストを抑えながら独立型のスモールオフィスにコンバージョンしたことが特長」とのこと。フロア構成は1階~4階。37区画の賃貸スペースを設けた。広さは最小で約15㎡。間取りは15㎡~60㎡まで選択肢は多く、区画を連結し最大120㎡程度も可能。「30人規模の会社から個人事業主まで、幅広いニーズに対応することができる」(岩本氏)。
 改修費用は約1億8000万円を投じた。既存の客室の区割りを生かしながらも客室内にあった水回り設備を撤去。天井板を外して天井高を確保した他、貸室の大半をフローリングに変更した区画もある。また従前まで管理室だった一角をゲストルームに改修した。
 「元々ホテルであった歴史を生かし、コンセプトはホテル。ラウンジや廊下はホテルを意識したデザインとし、実験的にゲストルームも設けた。深夜まで作業が続いた際入居者が宿泊するだけでなく、来客者の宿泊場所としても利用してもらえると期待している」(岩本氏)
 先月24日、25日に初めて内覧会を実施したが、問い合わせは約50件あり、フローリングを中心に成約が進んでいる。岩本氏は「麹町というエリア特性からニーズは士業中心と考えていたが、ウェブ制作会社やデザイン会社、金融コンサルティング等、バラエティに富んだ入居者が集まっている」と説明する。
 東京メトロ有楽町線「麹町」駅から徒歩1分という好立地。1階ロビーにはイベントや交流会等にも使えるラウンジとミーティングスペースを設けた。募集賃料は坪2万5000円~3万5000円前後。周辺ビルと比べても収益性は高い。

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