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KT 「解体オークション」がスタート

2016.12.05 14:21

国土交通省の住宅ストック維持・工場促進事業に採択 来春新サービス展開へ
 不動産買取査定・買取オークションの「さてオク」を展開しているKT(東京都渋谷区)は先月8日より「さてオク・解体オークション」をスタートした。この2つのサービスを連動させて空き家問題の解決に取り組む。「さてオク」では空き家の所有者と買取事業者を結びつけて、オークションによってより高値での売却を実現するが、今回スタートした「さてオク・解体オークション」では空き家所有者と解体事業者の間をつなぎ、より安い料金での解体を実現する。
 今回のサービスの活用について上野達也氏は次のように述べている。
 「空き家は相続等で不動産を継承した場合が非常に多いです。売却を考えた時に更地にしたほうが売りやすいというケースもあるので、今回の『さてオク・解体オークション』をスタートさせる事で、空き家問題の解決に貢献したいと思います」
 放置空き家には様々な問題が潜んでいる。空き家になっていることによる近隣住民の懸念はもちろんのこと、放火や不法侵入などの犯罪、建物の老朽化が進んでいれば倒壊等の危険性も出てくる。このような状況のなかで火災時などの延焼を防ぐために、都市防災不燃化促進事業を進めている自治体も多く、補助金を出して耐火建築物への建替えや耐火・耐震の改修工事を促している。
 このような流れには、人口減少が進むなかで従来の新築重視ではなく、既存建物をいかに活用していくかがポイントとなる。国土交通省でも住宅ストック維持・向上促進事業を進めているが、KTは平成28年度の「良質住宅ストック形成のための環境整備促進事業」に採択された。インスペクションや維持保全計画の作成などを加味した融資を受けられるようにして、空き家などの中古住宅売買に際して資金調達などをスムーズに行えるようにすることを、KTが軸となり、関連業者が参画・普及しやすい仕組みを提供していくことが採択された事業の概要だ。
 「来春には総合的なサービスのスタートを目指しています。」(上野氏)
 また、「さてオク・解体オークション」では空き家だけでなく、ビルなども対象になるという。KTでは、各士業とのネットワークを生かした相談会も随時実施し、相続登記や権利関係の相談も受けている。また空き家の相談会では売却、解体だけでなく、建物を改修してシェアハウスや民泊などへの活用などの提案も行っている。今後、「空きビル問題」も見逃せない中で、不動産業界の課題解決のソリューションとして期待がかかる。

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