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インタビュー・経営統合 グループAM2社を統合し受託資産額約1400億円に

2016.11.28 12:07

バリューアップ型物件で強み発揮
 東洋プロパティグループ内の2つのアセットマネジメント(AM)会社が統合し、10月1日からプロファウンドBMSアセットマネジメント(PBAM)、(東京都千代田区)として新たなスタートを切った。東洋プロパティ(東京都港区)が平成17年に設立したプロファウンド・インベストメント・マネジメント(PIM)と、BMS(東京都千代田区)が平成19年に設立したBMSアセットマネジメント(BMSAM)が統合し、東洋プロパティグループの強みを最大限に生かしていく。新たに代表取締役社長に就任した原武志氏は三菱東京UFJ銀行出身。不動産金融分野・法人営業分野でのキャリアが長い。平成28年6月にPIM代表取締役に就任。新会社の社長を務める。


―統合までの経緯
 PIMとBMSAMのそれぞれの親会社である東洋プロパティとBMSは同じ東洋プロパティグループ(共に三菱東京UFJ銀行の緊密会社)であり、これまで両社はそれぞれ独自に発展してきたが、厳しい不動産環境の中、更なる発展のためにAM会社同士、統合に向けた機運が高まってきた。そこで存続会社をBMSAMとして10月1日に経営統合するに至った(東洋プロパティ50%、BMS50%出資)。  BMSAMは独自の私募ファンドを組成することを得意とし、PIMは金融機関とのネットワークを生かした一般事業法人の流動化案件等を中心に手がけてきた。これらのノウハウを結集するとともに、東洋プロパティグループ唯一のAM会社として、仲介業務に強い東洋プロパティの情報力、PM業務・CM業務をメーンとするBMSの不動産管理・価値向上機能に加えて、同じ東洋プロパティグループの東洋ビルメンテナンスの建物総合管理機能を一気通貫で活用できる体制が整った。
―事業戦略について
 統合時の受託資産額は約1400億円。10月には第1号となる東洋グループファンドを組成した。こうした不動産ファンドの実績を積み上げていき、将来的には私募リートや上場リートの組成も目指したい。アセットタイプへの拘りはなく、マルチアセットが基本路線だ。中心はオフィスだが、物流施設、ウェディング施設や底地への運用経験もある。証券化の手法が高度化している中、こうしたアセット毎に蓄積したノウハウを生かして顧客ニーズに対応し、資産の拡大を目指す。
―現在の不動産マーケットについて
 受託資産を増やすのが大命題ではあるが、外資のプレイヤーも盛んに進出している中で競争入札案件は、価格面から中々難しいと考えている。一方で既存不適格案件や資産価値が低下した築古物件など、BMSが培ったCM機能によって価値向上が可能な案件はマーケットに残っている。こうしたバリューアップ型物件に強みを発揮するとともに、三菱東京UFJ銀行に近いアセットマネジメント会社という特長を生かし、銀行顧客である事業法人の不動産流動化案件等にも、積極的に注力していきたい。

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