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エアホスト 民泊ホストの経営を生かした作業効率化ウェブサービス

2016.11.21 12:53

 訪日外国人観光客の増加で宿泊施設の不足問題が高まり、多くの宿泊客に対応が可能な民泊が投資手段として注目を集めている。しかし投資効果を上げるには諸々のルーティン作業も必要。あるホストは「運営には相応の手間を要する」とため息まじりに話す。いかに効率的にこなせるかが喫緊の課題になっている。
 エアホスト(川崎市宮前区)は9月26日に民泊ホストのルーティン作業の自動化を行う「AirHostWebサービス」の提供を開始した。「私も民泊ホストのひとりです」と明かす代表社員の尾畠隆志氏は開発経緯について「運営の細々とした作業に時間をとられ、肝心なゲストとの交流に十分な時間をとれないという悩みがありました。そんな経緯から今回のサービスにつながりました。ゲストとの交流時間や、運営戦略を考える時間をホストに提供したいと思います」と説明する。
 サービスのポイントは「自動化による手間の削減」だ。運営上の課題のひとつに、宿泊を検討しているゲストからの問い合わせに対する(メール)返信がある。世界中のゲストがビジネスの顧客になりうるというのが民泊の面白さでもあるが、備品やサービスなどに関する質問が24時間飛び込んでくる。それに素早く対応することは個人ホストにとっては、おのずと限界がある。
 またチェックアウト後の「清掃」も問題だ。尾畠氏は「複数物件を運営している場合、スケジュールを自動化していないと清掃に抜けが生じることもある」と指摘する。これらの問題を解決する目的で提案されたのが「AirHostWebサービス」。具体的には、こんな枠組みである。
 夜中のメールには1時間以内に自動返信が可能。清掃に関しては、全ての物件のスケジュールを反映したカレンダーを基に専門業者への手配が自動的になされる。加えて「月毎の収支レポート」など民泊物件の収支計算機能も盛り込まれている。物件ごとの収支を確認し価格設定など、ホストが今後の運営を考えるうえでのデータとなる。
 「これまで代行会社を使用しないホストは全て手動で管理していて、多くの手間がかかっていました。今回リリースしたサービスの活用で多くの手間を圧縮することができるはずです」(尾畠氏)
 民泊ビジネスが注目を集めることによって、周辺サービスの充実化も進んできた。ホストの目でつくられた作業効率化ツールもその一つ。注目に値しよう。

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