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竹中工務店 名古屋の超高層免震建物に初適用

2016.11.21 14:21

地震暴風対策を両立「Tウィンド免震」を開発
 竹中工務店(大阪市中央区)は10日、地震対策と暴風対策を両立させた「Tウィンド免震」(商標登録出願済)を開発し「名古屋」駅西に位置する超高層免震建物「ベルヴュオフィス名古屋」に初適用した。
 免震構造は地震対策としては非常に有効だが、暴風時の揺れに対しては効果が少なく、特に扁平な立面形状の超高層建物では居住性の確保が難しい場合がある。同ビルは地上23階塔屋2階、延床面積1万3220㎡。低層部にオフィス、高層部にホテルを有し、客室階のアスペクト比(建物の高さ方向と幅方向の長さの比率。アスペクト比が大きい建物では、風荷重を受けた際の居住性を考慮する必要がある)が約6・5のスレンダーな立面形状となる。このような建物において、建物全体の耐震安全性と客室階の居住性の両立が重要な課題となる。
 今回開発された「Tウィンド免震」は、免震機能に加え2段階の風対策を併用することで、シャープな外観デザインをそのままに、耐震性と居住性を両立した超高層免震建物を実現。また同システムは高層階にブレース補強等の必要がないことから、眺望が阻害されることなく、かつ居室の広さを確保した1ランク上の設計が可能になる。同社は「今後は板状の超高層建物に向けて、安全性・居住性・眺望の確保を目的に提案していく予定です」としている。

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