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<新オフィススタイル>東熱パネコン 内装から中小ビルをバリューアップ

2016.11.14 16:02

移転を機に省エネ型ショールームへ 
 東熱パネコン(東京都港区)は今年2月、本社の移転を機にショールーム併用型のオフィスにした。空調設備の施工、リニューアル工事を主業とする同社の特長が窺え、顧客への訴求力アップを目指す。
 移転先は東京都港区芝4丁目に位置する「三田KMビル」5階。昭和63年に竣工したワンフロア約30坪のオフィスビルだ。新オフィスの特長は無垢材を用いて床全面をフローリングにしたこと。さらに執務空間をフリーアドレスデスクに変更。既存天井板を撤去し、空調設備・ダクトはむき出しに。天井高は2800mmになり開放感のある執務空間を実現した。工事を担当した事業本部長の中川浩一氏は「タイルカーペットを配したOAフロアの上に無垢材を敷き詰めた。デスクの位置に合わせて空調とダクトの位置を変更。また、フリーアドレスのため無線LANを採用している」と説明する。内装デザインはすべて自社で行い、工事期間は約4週間で仕上げた。
 また、中小オフィスにおける省エネ推進にも注力。専有部・共用部の照明をすべてLEDに変更した他、電気使用量の「見える化」システムまで導入している。中川氏は「各スタッフのウェブ端末から現在の電気使用量を把握でき、さらに照明の電源も操作できる。消し忘れの心配はなく、大幅な省エネに繋がった」と胸を張る。電気使用量の計測対象は空調・照明(専有部・共用部)、コンセント(デスク・会議室)に分類している。
 また、室内の空気環境にもこだわった。同社オリジナルの空気清浄システムを室内に構築しているのだ。中川氏によるとこの技術は「ワインセラーの施工を手がけた際に培ったノウハウ」とのこと。棚状にした設置スペースに活性炭等、各材料を組み合わせることで高い消臭力と快適な湿度、高い空気清浄度の空気環境を作り出すことに成功。臭気判定士から「おいしい空気」とのお墨付きを得たという。
 今回の施工費に関しては「坪30万円ほど」(中川氏)を投じている。原状回復工事と合わせて施工することでビルオーナーにとって保有物件のバリューアップにも繋がる。テナント・ビルオーナー双方に最新鋭の省エネオフィスを提案する。

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