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CBRE 全国7都市で空室率低下 13都市の第3四半期オフィスビル市場動向を調査

2016.10.24 14:00

 CBRE(日本本社・東京都千代田区)は19日、2016年第3四半期の全国13都市オフィスビル市場動向を発表した。
 東京23区のオールグレード空室率は対前期比+0・2ポイントの2・6%となり、15期ぶりに上昇に転じた。大型ビルが空室を残して竣工したことが主な原因。夏季休暇を挟むため、テナントの動きがやや鈍くなることも影響した。一方、労働市場の需給逼迫は続いており、企業のオフィス拡張ニーズも引き続き強い。しかし円高を背景に業績の縮小が見込まれる中、企業は移転の意思決定にやや慎重になりつつあるという。特に高額賃料のビルでは契約締結に至るケースが少なくなっている。半面、賃料水準が割安なエリアでは社員数を増やした企業が拡張移転するという事例も複数みられた。賃料に値ごろ感のあるビルでは長期化していた空室が大きく消化されるケースもあった。
 代表取締役エグゼクティブマネージングディレクターの渡辺善弘氏は「引き続きフロアが広く、設備水準の高いオフィス床を物色する企業の動きは衰えていない。ただし、賃料が高額のオフィスへの移転については意思決定に時間がかかる傾向がみられる。今後まとまった空室を消化するには、長めのフリーレント期間など、オーナーが柔軟に対応する必要のあるビルもでてくるだろう」とコメントしている。
 大阪のオールグレードの空室率はグレードBを中心に低下し、対前期比マイナス0・3ポイントの4・6%。全国展開企業から地場中堅企業にいたるまで、幅広い企業に旺盛な床需要がみられた。需要はほぼグレードBに集中しており、増床ニーズはあるものの賃料負担を抑えたいと考える企業が多く、割安感のあるグレードBが選好されているようだ。 
 名古屋のオールグレードの空室率は対前期比横ばいの4・1%。コールセンターの新規開設や自社ビル建替えに伴う一時移転、郊外からの移転などによってまとまった空室が消化されたという。一方、新築大型ビルへの集約移転の反動で、複数のビルで二次空室が発生。しかし、賃料が1万円台前半の割安なビルへの移転需要は堅調であり「名駅」エリア以外でも二次空室は順調に消化される見込みだという。
 全国各都市の空室率は調査対象13都市中、7都市で前期に比べて低下。新規開設のほか、人員拡大に伴う館内増床や拡張移転など企業のオフィス需要は旺盛。郊外からの移転や、建替えに伴う立ち退き移転なども継続している。まとまった空室がないため、分室によってスペースを確保する事例も散見されている。札幌、京都、福岡で空室率は過去最低値を更新。金沢では対前期比マイナス0・6ポイントの9・8%となり、2003年調査以来初の10%割れとなった。首都圏ではさいたまの空室率が対前期比マイナス0・5ポイントの1・6%と過去最低を記録。一方、横浜は移転に伴う新たな空室が発生し、対前期比+0・1ポイントの4・5%となった。


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