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戸田建設 コンクリートの増し打ちを削減・不要とする「ひび割れ誘発目地付耐震壁構法」を開発

2016.07.04 13:44

 戸田建設(東京都中央区)は有孔鋼板を用いた簡便で効率的な「ひび割れ誘発目地付耐震壁構法」を開発した。
 鉄筋コンクリート造の耐震壁ではコンクリートの乾燥収縮によって生じるひび割れにより、美観および防水上問題となることがあった。これまでのひび割れ誘発目地付耐震壁は壁厚20%以上の深い欠き込み(断面欠損)を設けることでひび割れを誘発させていた。この場合、構造耐力上の壁厚は欠き込み底となることから20%以上余分なコンクリートを打設していた。
 同構法はコンクリート表面に浅い欠き込みと内部に有孔鋼板を設けることにより、コンクリートの増し打ちを削減、もしくは不要とできる構法となっている。
 耐震壁内部にひび割れ誘発材として厚さ3・2mm、直径20mmの孔が鋼板(有孔鋼板)を壁厚の30~45%の幅で設置することで、目地部でのひび割れ誘発効率を高めた。また、条件によっては欠き込み部分も構造耐力に必要な壁厚として算入することが可能。これにより構造耐力上余分なコンクリートを打設することなくひび割れをコントロールできる耐震壁を構築することができる。施工面においては作業がしやすい長さに有孔鋼板を分割可能であり、結束線のみで有孔鋼板を耐震壁内の鉄筋に取り付けられる。
 ひびわれ誘発目地付耐震壁は構造実験、構造解析および施工実験により有孔鋼板を設置したひび割れ誘発目地部でのせん断力の伝達に支障がなく、目地部にひび割れを集約できることを確認した。同構法は3月18日付で第三者機関(日本建築総合試験所)の建築技術性能証明(GBRC性能証明第15―25号)を取得した。
 自社の設計物件への採用を進め、自社物件以外にも積極的に同構法を提案していくという。

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