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戸田建設/西松建設 副産物を高含有した低炭素型コンクリートを開発

2016.04.04 14:04

 戸田建設(東京都中央区)と西松建設(東京都港区)は、低炭素型のコンクリート「スラグリートR」を共同で開発した。
 「スラグリートR」は、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメントの代替として積極的に活用した低炭素型のコンクリートであり、セメントの使用量を極限まで低減したことで、マスコンクリート構造物における音戸ひび割れの発生リスクを低減することができる。
 開発の背景として近年、地球温暖化対策として、各分野で二酸化炭素(以下、CO2)排出量の削減に向けた取り組みが進められている。建設分野においても環境負荷の少ない構造物の実現を目指す中で、低炭素型のコンクリートが注目されている。
 「スラグリートR」はセメント質量の70~90%を高炉スラグ微粉末で置換したセメント使用量の極めて少ないコンクリート(一般的な高炉セメントはスラグ置換率40%程度)であり、様々な特徴を有している。
 まず、一般的なコンクリートに比べてコンクリート製造時におけるCO2排出量を約70%削減することが可能。加えて高炉スラグ微粉末を大量に用いた場合にも、専用の特殊化学混和剤を加えることで所要の施工性を確保することができる。強度発現性能や耐久性能も一般的なコンクリートと同等かそれ以上を有している。他にも多くの特徴を持つものとなっている。
 両社は今後、低炭素型会社への取り組みの一つとして積極的に技術提案していくと同時に、マスコンクリート構造物等における温度ひび割れ対策として現場適用していくものとしている。

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