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<貸会議室>スペイシー 会議室買取サービスを開始

2016.03.14 17:52

賃料以上の収益が得られる可能性も
 長期化した空室を活用して貸会議室事業を開始したものの、集客に苦労して稼働率が上昇しない。こうした悩みを抱えるビルオーナーにとって救いとなるのが会議室マッチングサイトを運営しているスペイシー(東京都目黒区)が先月29日から開始した「会議室買取サービス」だ。
 元々、スペイシーが運営する会議室マッチングサイトとは、自社で使用する会議室の空き時間を有効活用して第三者に貸し出すというもの。会議室を有効活用したいオーナーがサイトへ物件情報を登録しておけば、利用希望者から予約が入り、決済までサイト内で完了するという仕組みだ。貸会議室の広告宣伝を行う必要がなく、利便性の高い立地・施設であれば収益は青天井となる。純粋な会議室だけでなく、飲食店のアイドルタイム等、対象施設は幅広い。利用料は1時間500円~。一般的な貸会議室よりもリーズナブルで、サービス開始以来、すでに累計利用者数は22万人を突破した。
 「会議室買取サービス」を開始した理由について、取締役副社長の征矢貴彦氏は「拡大するユーザーからの需要に対して貸し出し可能な会議室を取り揃えるため」と説明する。スペイシーが使われていない会議室を買い取る(借り上げる)ので、オーナーは稼働率に関わらず安定的な収益が得られるのが魅力だ。買取価格は立地や周辺環境にもよるが、坪単価相当額が目安。会議室の利用者がいない時間帯はオーナー自ら使用することも可能だ。会議室の広さや立地には特にこだわりがないが、会議室として成立する程度の設備投資は必要とのこと。また、会議室への来場受付はオーナー側で行うことになる。
 「ビルの場合、長期化した空室を時間貸しすることができる他、解体を控えて客付けができないビルの一時利用として需要もある。収益性についてはオフィスビルに賃貸していた某企業が余剰になった会議室を貸し出したことで、賃料以上の収益が得られるようになったケースも存在する」(征矢氏)
 賃貸以上の高収益を確保する。手間のかからない貸会議室ビジネスは検討の余地がありそうだ。

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