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<リノベーション>三菱地所レジデンス 中小築古ビルを再生する「Reビル事業」が共同住宅に拡大

2016.02.01 11:51

子育て世代をターゲットにした「ザ・パークレックス東陽町」
 三菱地所レジデンス(東京都千代田区)は、平成26年5月より、築年数の経過した中小ビルを再生して賃貸する「Reビル事業(既存ストックリノベーション賃貸事業)」に取り組み、耐震補強工事やリノベーション工事によるバリューアップで既存ストックの再生を図り、賃貸物件として供給してきた。本事業には環境負荷低減、既存建物の耐震化、供給エリアの活性化、オーナーの不動産有効活用などの社会的意義があり、それらが評価され昨年度グッドデザイン賞ベスト100を受賞した。
 これまで主にオフィスビルを対象に過去5件のリノベーションを実施してきたが、対象となる物件を共同住宅まで拡大し、NTT東日本(東京都新宿区)の旧社宅をReビル事業初の共同住宅「ザ・パークレックス東陽町」としてリノベーションが完了した。
 「ザ・パークレックス東陽町」は子育て世代をターゲットとし、「子どもと共に成長する住まい」をテーマに、社宅特有のゆったりとした空間を活かして、共用部・専用部をバリューアップ。共用部にハンモックや卓球台を設置した「遊ぶラウンジ」、一坪農園を設置した「育てるガーデン」、DIY作業台を設置した「作るアトリエ」の3つを親子が共に楽しめる空間として提供する。一方専用部はリビングダイニングの一部の壁を入居者が好みの棚などを設置できる「カスタマイズできる壁」としてラーチ合板仕上げにするほか、リビングダイニングと和室の間の間仕切りは黒板塗装の引き戸とし、入居者が親子で絵を描くことも可能である。また中小オフィスビルを対象としたリノベーション賃貸事業においても、稼働中の3物件は満室稼働と好調な反響を得ており、第4号物件「ザ・パークレックス小網町第2ビル」及び第5号物件「ザ・パークレックス神田須田町ビル」も昨年12月にモデルフロアのリノベーションが完了した。Reビル事業では、平成26年からの3年間で計15棟、5年間で計30棟の事業規模を目指し、今後は既に手掛けている事務所ビル・集合住宅のみならず、倉庫・ホテル・商業ビルといった異なるアセットタイプへの展開や東京のみならず地方都市への展開等、ますます増え続けるであろう「既存ストックの有効活用」という普遍的なニーズに、柔軟かつ積極的に対応して、多面的・多角的な事業展開を図っていく。

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