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東京ガス/三井不動産/三菱地所 「(仮称)TGMMプロジェクト」着工
2015.10.05 16:26
東京ガス・三井不動産・三菱地所によるJR「田町」駅直結の大規模複合開発
東京ガス(東京都港区)、三井不動産(東京都中央区)、三菱地所(東京都千代田区)は、「田町」駅東口の芝浦エリアにおいて、3社共同で「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト」の開発計画を進めてきたが、先月28日A棟及びホテル棟、またスマートエネルギーセンター(B棟1.期工事)の起工式を執り行い、今月1日より着工した。
A棟、ホテル棟及びスマートエネルギーセンターは平成30年春竣工予定、B棟(2.期工事)は平成31年中の竣工予定となっている。
起工式では、東京ガス代表取締役社長の広瀬道明氏と三井不動産代表取締役社長の菰田正信氏が挨拶をし、広瀬氏は「芝浦エリアは明治時代より、当社にとっても重要な拠点です。本プロジェクトによってエリアのエネルギーセキュリティなどのエネルギー有効活用の更なる発展に尽力していく所存です」と語った。菰田氏は「芝浦エリアは新駅の開発や高まるインバウンド需要にともなって大きな可能性を持つ場所です。三井不動産と三菱地所、両社の技術を結成し、港区の新たなランドマークを目指していきます」と話した。
また、乾杯の音頭を三菱地所代表取締役社長の杉山博孝氏がとり「国際都市としての東京の玄関口としてもてるノウハウを存分に生かし、地元や多くの企業、そして行政と連携し、一体となった街づくりを行っていきたい」と話した。
同プロジェクトの特長は、まずJR「田町」駅直結の大規模複合開発という点。今回着工するA棟の基準階延床面積で、約3900㎡の大規模空間を実現した大型オフィスや、天候に関わらず、多彩な店舗やサービスで来街者を迎える商業施設、ホテルで構成。隣接する公共街区では、カンファレンスホールやスポーツセンター、病院が整備・開業済であり、今後、公園も整備される予定。公共街区と同プロジェクトは歩行者デッキで接続され、「田町」駅からバリアフリーの歩行者ネットワークが完成する。
また、三井不動産・三菱地所のノウハウを結集した高機能なオフィススペック、テナントサービスも特長の一つ。オフィスフロアの天井高は2880mmを確保。窓面を最大限開口させることにより、オフィススペースからダイナミックな眺望を臨み、かつオフィスワーカーに圧迫感を感じさせない快適性の高い空間を創出する。災害時対応として、非常用発電機やスマートエネルギーセンターに設置されるガスコージェネレーションの利用により、オフィス共用部だけではなく、専有部へも72時間電力供給を可能とし、また重要機械設備の地上化等も計画。最新のBCPスペックでテナント企業の業務継続をサポートする。テナント企業へは、三井不動産、三菱地所が長年培ってきたオフィスビル事業のノウハウを結集し、充実したテナントサービスを提供する。共用部については、天井高7・5m、アメリカの世界的建築事務所であるKPF(Kohn Pederson Fox Associates)がデザインした木調ルーバーを基調とした都会的デザインのオフィスエントランスを整備し、テナント企業役員等向けのVIP専用エレベーターを設ける等、洗練されたデザインと、オフィスとしての利便性向上に配慮した計画としている。
同プロジェクトは、JR「田町」駅東口隣接の東京ガス所有地(約2万8000㎡)においてオフィス、商業施設、ホテル等からなる全体延床面積約30万㎡の複合ビジネス拠点を創出するもの。東京ガスの先進的な環境エネルギー技術と三井不動産・三菱地所が日本橋・丸の内エリア等でそれぞれ培ってきた不動産開発ノウハウをもって、先進的かつ魅力的な街づくりを推進していく。