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ダイキン工業 設置自由度の高い空調熱源機「JIZAI」シリーズ新発売

2015.08.31 10:40

 ダイキン工業(大阪市北区)は今月25日、ビルや工場用途の空調熱源機スタイルフリーチラー「JIZAI(ジザイ)」の標準シリーズと高効率シリーズ全12機種を今年12月より発売すると発表。新製品プレス発表会および実機見学会を行った。
 同商品は業界初となるセパレート型(分散設置型)のチラーユニット。従来のチラーは「一体型」のみであったが、空気と冷媒の熱交換を行う熱源ユニット4台と、冷媒の熱で冷温水を作るハイドロユニット1台を冷媒配管で接続する「セパレート型」を開発。ハイドロユニットと熱源ユニット間の冷媒配管は最大実長100m(高低差50m)まで分散設置することが可能。これにより、屋上と各階機械室に分散設置できるようになった。屋上クーリングタワースペースに熱源ユニット、地下機械室にハイドロユニットを設置するといったスペースの有効活用が可能で、既設冷温水配管を最大限に流用することもでき現地工事の簡略化を図ることができる。
 同社は近年のチラーのモジュール化による大容量対応・省エネ・省スペースを継承するとともに、自由自在な設置性の実現によって、ビル空調の新たな価値を提供するとしている。
 また、ビル用マルチエアコンに採用した「新型スクロール圧縮機」の搭載により、低負荷時の運転効率が向上し期間成績係数IPLV(負荷の異なる4つの冷却COPの加重平均により算出した省エネ係数)6・4の業界トップの省エネ性能を達成した。「新型スクロール圧縮機」では、低回転時の圧縮漏れのロスを極小化する「背圧コントロール機構」を採用することによって、年間を通じた運転効率の向上を実現させた。
 同社常務専任役員の松田直敬氏は新製品発表会において、再開発による大型物件の増加やオリンピックに伴うインフラ整備などによる東京での需要増を指摘し、営業の東京シフトや、新宿及びつくばに展示場を設けるなどの東京重視の態勢づくりを強調。さらに再開発やオリンピックなどの「大型設備案件には商品の強化が不可欠」と述べた。

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