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アメニティ トイレの医者「トイレ診断士」

2015.08.03 11:29

 アメニティ(横浜市神奈川区)は、トイレの総合メンテナンス事業をフランチャイズで全国展開している。同社には快適なトイレを維持するためのコンサルタントが多数在籍している。その名も「トイレ診断士」。
 トイレ診断士は、厚生労働省社内検定制度で認定された資格。一言で言えば、トイレのお医者さん。トイレの健康状態を把握し、適切な処置や予防法を検討する。その上で顧客にメンテナンスプランを提案する。トイレ診断士の1級取得者(1級・2級に分かれる)でもある同社の企画室次長内田康治氏は「トイレを常日頃から清潔に保つことはとても重要です。トイレの清潔さが建物の印象を大きく左右するからです」と強調する。
 平成18年3月に東京都福祉保健局が「外出時にトイレを利用するに当たり、あなたが困ったことはありますか」というアンケートを行っている。314名が回答したアンケートの中で、約8割の方が「不衛生なトイレは利用したくない」と回答した。データは数年経つが、今もそうした意識にかわりはあるまい。また飲食店や施設を対象にした調査でも「トイレが不衛生だと、その飲食店に二度とは行きたくない」という回答が圧倒的だった。「トイレは、その家の鏡」と言われるが、ビルや施設も同様。清潔を保てないと、その存在の本質自体が問われかねない。
 同氏は「まずトイレの診断を行います。具体的には汚れ具合や臭気濃度のチェック、トイレ室内の環境状況を細かく調べます。最近は自動洗浄機、温水洗浄便座や手指乾燥機など、トイレ内の設備も充実されましたが、その分日常清掃も複雑になってきました。どんなに高機能な設備も適切なメンテナンスがされないと、美観を損ねたり、臭気の発生原因に成りかねません」とプロの視点で語る。
 また同社では診断・処方を請け負った建物に関しては、同じく社内検定で認定されたアネットライセンス取得者が月1回フォローアップする。事細かく問題個所が無いかをチェックし清掃する定期巡回サービスだ。トイレのプロによる定期的な点検は、発生が懸念されるトラブルを予防し、清潔な状態で維持・管理する事につながる。
 建物の清掃スタッフに清掃手法を教える、「トイレクリーンマイスター」という研修制度も実施している。日頃トイレを清掃しているスタッフの清掃レベルやモチベーションの向上につながるという。
 同氏は「トイレを常日頃から清潔に保つには、トイレを知り尽くしたトイレの専門家による、定期検診が有効です。当社では今年11月にビッグサイトで開催されるトイレ産業展でもセミナーを行う予定です。トイレ診断士を活用した好印象の建物づくりを全国に広めていく所存です」と力強く語った。

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