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竹中工務店 建物を稼働させて耐震改修が可能に

2015.08.03 11:44

 竹中工務店(東京都江東区)は、RC造建物に蝶々型ブロックを積み上げて耐震補強壁を築く「エストンブロック工法」を昨年7月に開発しプロジェクトに適用してきたが、先月30日に同工法の適用件数が16件、エストンブロックの適用個数が7万個(約5000㎡)を突破したと発表した。
 同工法は建物の稼働を止めることなく工事が可能なことから、平成25年11月に施行された「改正耐震改修促進法」で耐震改修が急務になったホテルや病院だけでなく、オフィスや工場、店舗など様々な用途の建物に適用が拡大している。特に、工事中の水の使用や騒音・粉塵の発生を嫌う場合や施工時間帯に制約がある場合には効果大だ。
 従来、RC造建物の耐震補強をする場合、新築時とほぼ同様の作業工程によりRC壁や大型の鉄骨ブレースを設置する工法が多く用いられてきた。そのため、施工に伴う騒音・振動・粉塵の発生、大型部材の搬入やそれに伴う養生のため、工事階が使用できなくなることも少なくなかった。同工法は補強壁の設置場所に大人一人で持ち上げ可能な小型のプレキャストブロックを搬入し、くみ上げていく工法だ。資材の搬入による影響が少なく、騒音や粉塵の影響を最小限に抑え、建物を稼働させながら工事を行うことが可能。
 同社では今後も建物の安全性を高める「居ながらできる」工事の可能な耐震技術として適用件数の更なる拡大を目指す。

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