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むさしコーポレーション 築50年・名古屋の老舗ビルを閉館、解体

2015.07.13 10:05

 「名古屋」駅前の「菱信ビル」をはじめ、名古屋市内で不動産業などを展開するむさしコーポレーション(名古屋市中村区)は、6月末日で築50年目を迎えた「菱信ビル」を閉館し、8月より解体工事を行うことを発表した。
 同社代表取締役社長の横山篤司氏は次のように述べる。
 「当社は創業80年。7年前に三代目後継者としてビル経営を将来継ぐかどうかを父より問われました。『名古屋』駅前の発展に伴い、旧耐震ビルであった『菱信ビル』の解体を決めたのが5年前。建物を解体・事業撤収するために、テナント立退き、従業員の早期退職、解体資金の調達など、多くの苦難を乗り越えて、この日を迎えることができました」
 一昨年前、横山篤司氏が32歳の時に、当時65歳であった父の横山高司氏と共同代表となってから、再開発交渉の最前線に立ち、事業存続のために、4年前に「X-OVER21覚王山」の取得や、空室活用として当時空室であった「菱信ビル」1階の200坪を事務所から店舗へリノベーションし、期間限定の居酒屋横丁「名駅四丁目酒場メイヨン」をオープンさせた。そうしたビル経営の現場に立ち、建替え交渉や空室活用などの経験を基に、後継者に少しでも知恵を共有したいと昨年には不動産オーナー経営学院「REIBS(リーブス)」を開校。現在、メンバーは不動産オーナーを中心に300名を超える。
 横山氏は「ビル経営においては、順風満帆にはほど遠いトラブルや課題の連続でした。ビル経営は必ず建替え、リニューアル、売却の選択肢を迫られる時が来るため、それまでにいくら資金を留保し、どう計画的に改修を行い、経営者として決断しなければなりません。私はそんな不動産オーナーとしての体験や実践・実例が将来の街づくりに役立てられないかと考え、不動産オーナー同士の学びが不可欠だと感じています」と語っている。

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