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三幸エステート 賃料相場は上昇を継続 上昇ペースはやや緩やかに

2015.05.11 11:36

 三幸エステート(東京都中央区)は先月30日、ニッセイ基礎研究所と共同で開発した、成約賃料に基づくオフィスマーケット指標、「オフィスレント・インデックス」平成27年度第一四半期(1~3月)を公表した。
 「オフィスレント・インデックス」では延床面積1万坪以上、基準階貸室面積300坪以上、築年数15年以内のビルをAクラスビル、基準階貸室面積200坪以上でAクラスに該当しないビルをBクラスビルとし比較を行っている。
 平成27年第一四半期のAクラスビル(成約賃料ベース)は前期比593円/坪上昇(+1・9%)し、31166円/坪(共益費除く)となった。前期比でのプラスは3期連続となり着実な賃料上昇が続く一方で、上昇ペースは依然として緩やかなペースに止まっていた。空室率は前期比プラス0・8ポイントと、6期ぶりで上昇に転じた。国内企業を中心に館内増床や拡張目的による移転需要の顕在化でオフィス需要は拡大基調だが、第1四半期はまとまった面積の空室床を抱えたビルが竣工した影響で、空室率は上昇した。
 Bクラスビル賃料は前期比プラス1874円/坪、10・9%の大幅な上昇となり、1万9006円/坪(共益費除く)まで回復した。Bクラスビル賃料が1万9000円/坪台を回復するのは平成21年年第2四半期以来の5年3期ぶりとなる。空室率は3期連続していた4・5%から0・8ポイント改善し、3・7%に低下した。平成21年来となる3%台を記録したことで、需給バランスは一段と引き締まった。
 平成26年第1四半期との比較による賃料対前年変動率はAクラスビルがプラス5・7%、Bクラスビルがプラス9・6%となった。対前年変動率はA、Bクラスとも低下傾向のため、賃料の上昇ペース自体はピークアウトしつつあり、上昇サイクルは終盤の様相を呈している。

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