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大林組 快適な視環境と省エネルギーを両立する「自動ブラインド制御システム」を開発

2015.04.13 17:44

 大林組(東京都港区)は、快適な視環境と省エネルギーを両立する「自動ブライド制御システム」を開発し、大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーション(以下、テクノステーション)に適用した。
 同システムについては、制御の基本部分を同社が開発し、東海大学工学部の岩田教授と共同で、PGSV(深いグレア予測指標)指標を用いた理論式の構築や各種実測、制御手法などの開発を行い、実用化した。
 建物の窓のブラインドは主に直射日光を遮へいして空調負荷を低減する目的で設置される。しかし、眺望の確保および採光と空調負荷およびまぶしさの低減とは相反するため、制御に当たっては双方のベストバランスを見出すことが重要だ。
 現在、主にオフィス用として、太陽位置、晴曇判断などの情報を基に、直射日光を遮へいする自動制御ブラインドが発売されているが、多くは直射日光の遮へいが主目的で、採光を加味した制御を行わないため、眺望や省エネルギーの面では差異的な制御となっていない。
 同システムは、太陽位置だけでなく、全天空照度、直射日光照度、在席者の窓からの距離、外部条件などをパラメーターとして、リアルタイムに在席者のまぶしさを計算する国内初のシステムとなる。時々刻々と変化する天候に合わせて、きめ細やかにブラインドを制御できる。また、直射日光を遮へいしつつ、在席者にまぶしさを感じさせない範囲でできる限りスラット(ブラインドの羽根)を開くので、快適な視環境と省エネルギーを同時に実現している。
 テクノステーションでは、同システムと調光機能付き照明システムとを連動させ、視環境の快適性と省エネルギーを両立させた。また、RFIDタグ(人や物などを自動認識する方法の一つ)を用いた在席情報管理システムと連携させ、個々の在席や離席をリアルタイムに把握することで、より高いレベルでの両立を実現している。

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