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東京建物 日本橋交差点に防災性際立つ複合ビル竣工

2015.03.30 16:47

 東京建物(東京都中央区)は23日、2月27日に竣工した「東京建物日本橋ビル」の記者内覧会を開催した。  同ビルは東京建物、伊予銀行(愛媛県松山市)、ヒューリック(東京都中央区)の3社による共同事業。持分比率は東京建物が約89%、伊予銀行が10%、ヒューリックが約1%。
 日本橋交差点の北西角地に位置し、建物規模は地上13階地下1階、延床面積2万3235・56㎡、敷地面積2277・18㎡、地下1階・地上1階に店舗、2~3階にホール・貸鍵室、4~13階をオフィスで構成。東京メトロ「日本橋」駅直結という優れた交通利便性を有する。一方、ハード面において注力したのが防災機能。テナントのBCP対応を意識し、高い耐震性能を確保する免震構造を採用。電源は二回線受電方式。72時間運転可能な非常用発電機を備え、停電時には専有部へ15VA/㎡の電源供給が可能になる。オイルタンク4万5000リットルを実装。屋上にはテナント用の非常用発電機を設置するスペースを設けた。
 また、同ビルは地下鉄と直結するため、昨今問題となっているゲリラ豪雨や荒川決壊に対する浸水対策にも注力。地下鉄側で十分な浸水対策がなされているそうだが、万が一に備えた。ビルの防災センターを2階に設置すると共に変電設備・非常用発電機を屋上に設置することで浸水時での電源供給が可能。約1・5mの防潮板も準備する。 気になるリーシング状況だが、オフィスは「7割以上が成約。周辺賃料相場の坪3万8000円を目安に募集を行っている」(東京建物 都市開発事業部 半田 士昌氏)という。2・3階にカンファレンスルームはコングレ(東京都千代田区)が賃貸借契約を結び、カンファレンス施設「コングレスクエア日本橋」が4月から開業。店舗部分はすべてテナントが決まっており、7月中旬頃から稼働予定だ。
 同ビルが立地する日本橋交差点は大規模ビルが集積する激戦区といえるが、同ビルの強みは基準階が約400坪のスクエア空間。100坪まで小割対応でき、フレキシブルに対応できる点が差別化に繋がっているという。

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