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ロングライフビル推進協会 屋根防水の適切な維持保全でロングライフ化を図ろう

2014.10.20 16:31

 ストック時代を迎え、ビルのロングライフ化に本格的に取り組むことが求められています。このため、きちんとした維持保全を行い、安全性・衛生性の確保、機能性・快適性の維持向上、資産価値の向上等を図っていく必要があります。
 屋根防水の主流であるメンブレン防水工法に関しては、アスファルト防水工法、改質アスファルト防水、合成高分子系シート防水、塗膜防水等様々な工法があり、劣化現象としては、ふくれ、損傷、浮き、ひび割れ、剥離、破損等がみられます。
  メンブレン防水は、建物の機能を確保する上で極めて重要な役割を担っていますが、適切な点検、診断、補修と改修を行えば、上記のような劣化現象を発見、補修でき、躯体寿命を短くする現象を防止し、ひいては建物の延命を図ることができます。建設省総合技術開発プロジェクトの建築物の耐久性向上技術の開発の研究結果によれば、アスファルト防水、シート防水の押え工法の場合、耐用年数は、清掃、点検、保守等、適切な維持保全を行った場合は、これらを行わない場合と比べ、2割程度耐用年数が伸びるとされています。このようなことから、今後、ビルオーナーに屋上防水等の維持保全の重要性の理解を深めていただく必要があると考えております。
 当協会では、ビルのロングライフ化に関係する様々な事業を実施していますが、中でも、屋上防水を含め経年劣化した仕上げ材を調査診断する専門技術者として、「建築仕上診断技術者」の育成、資格者としての登録を行っており、現在5200名を超える登録者が建築物の維持保全のために貢献しています。登録した資格者に対しては、資格取得後の技術レベルの向上を図るために、資格者向けの情報誌「BELCA Letter」を定期的に発行するとともに、BELCA資格者セミナーを開催すること等により、仕上診断に役立つ情報を発信しています。是非、高い技術水準を持つ「建築仕上診断技術者」をご活用いただきたいと存じます。
 建物の維持管理においては、トラブル発生後の対処(事後保全)が見受けられ、予防保全を心掛けているビルオーナーやビル管理者はまだ十分多くありませんが、これからの時代はライフサイクルを見据え、計画的に適切な診断に基づき補修・改修を行うことがビルのロングライフ化と資産価値の維持向上のために不可欠です。

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