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大成建設/栗本鐵工所 振動低減中空コンクリート板を開発

2014.09.15 14:23

 大成建設(東京都新宿区)と栗本鐵工所(大阪市西区)は、中空コンクリート板に粒状体を用いることでコンクリートの厚みに頼らず遮音性能を発揮する「振動低減中空コンクリート板」を開発したことを発表した。
 コンクリートは一般的に空気中を伝わる音に対しては高い遮音性能を有した材料であるが、床衝撃音等の固体伝搬音(振動音)に起因する騒音問題を発生させることがある。従前においても振動音の低減をはかるため粒状体を使用した床部材等が開発されたが、建物の構造体となるコンクリート板による製品は存在しなかった。そのような背景もあり、大成建設と栗本鐵工所は構造体の床コンクリート内に袋に入れた粒状体を封入することで床から伝わる振動を制御し振動音を大幅に低減する「振動低減中空コンクリート板」を共同で開発した。
 「振動低減中空コンクリート板」は一般のコンクリート板と同様の施工方法で導入することが可能であり、対象とする振動音などの周波数に応じて粒状体の質量及び袋の弾性を調整することができ同厚のコンクリート板と比べ5dB~10dBの騒音低減効果を発揮する。また、振動音低減に必要なコンクリート量を少なくできることから、15%程度の軽量化も実現し建物のトータルコストの低減も可能となる。
 大成建設は振動音低減対策が必要な建物(集合住宅・設備機械室床・地下鉄軌道近接建物・コンサートホール等)に振動低減中空コンクリート板の適用を提案していく。

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