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叡智の杜 苔庭を囲む老朽化が激しい古民家再生 クラウドファンディングで資金調達

2014.07.21 17:44

 叡智の杜(石川県小松市)は苔庭を囲む老朽化が激しい古民家を改修し苔庭を訪れる人びとのためのインフォメーションセンターや来訪者と地元住民との接点や交流を行うことができる場「叡智の杜 Forest of Wisdom」をつくるプロジェクトを7月1日からスタートさせた。
 苔の生す庭、日用杉林、蛍の居る田畑、古民家が並ぶ美しい風景。同町には自然と共に生きてきた日本文化の原点がある。しかし、地域の過疎・高齢化、農林業の衰退などが進み、住民だけでは、自然や古民家などのランドスケープの維持管理、自然共生文化の継承が困難になりつつある。国や小松市による「叡智の杜」創造のための支援が行われているが継続的な苔庭の保全や古民家の修繕や人々が叡智を集わせる場をつくるための資金がまだ不足しているのが現状だ。資金集めの方法としてクラウドファンディングを用いて888万円を集めていく。日本の美しい自然、古民家、そして自然とともに生きてきた地元の文化を守るためにただ行政に頼るのではなくこれからを生きる自分たちが能動的に関わっていくことが大切なのではないかとの考えからクラウドファウンディングを用いて資金調達を行うとのこと。リターンとしては小松市ならではの酒蔵ツアーや九谷焼ツアー、そしてこの叡智の杜での食事会や同古民家の利用チケット等を用意している。
 再生された古民家は叡智を訪れる人々の拠点として、ラウンジやカフェ、ギャラリースペース、そして研修を行うことができるような設備を備える。そして、これを拠点に苔庭の整備や苔の資料館の開設、叡智を集める国際会議の開催等様々な企画を予定し、世界に誇る場作りを行っていく。同法人は住民が暮らしの中で育んできた環境を大切にしながら次世代の人びとも暮らしていくことができるまちづくりを目的に同町でキャンペーンを随時展開していく。

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